怪我人続出の磐田を支える21歳
プロセスを踏んで“立場”を獲得することの重要性を、彼は教えてくれる。ジュビロ磐田の上原力也は今季、中盤の一角に定着した。苦しい台所事情のチームを支えているのは21歳のMFだ。
昨季6位と躍進したサックスブルーは、2018年シーズンの目標を『トップ5入り』に定めた。しかし、怪我で主力を軒並み欠くという事態に直面。アダイウトンもムサエフも不在で、中断明けからは中村俊輔もピッチに立てていない。新加入ながら早い段階で最終ラインのレギュラーとなった新里亮は、第19節・ガンバ大阪戦で負傷し離脱した。
さらなる飛躍を目論んでいただけに、これだけの選手が起用できないのは痛恨だが、だからこそ、着々と力をつけてきた上原が堂々とプレーしていることには大きな意味がある。2連敗で迎えた柏レイソル戦では宮崎智彦と山本康裕を欠き、田口泰士は出場停止だった。そんな中、名波浩監督は上原と山田大記のダブルボランチをチョイス。すると、これが大当たりすることになる。
前半立ち上がりで試合を決めた磐田だが、先制点を演出したのは山田だった。敵陣で相手のパスをカットすると、スルーパスから松本昌也のゴールをアシスト。そして、上原は2点目に絡んでいる。ショートコーナーからの流れでフリーになると、右サイドを破って速いクロスを送る。最後は大久保嘉人が冷静にネットを揺らした。
精神的にも優位に立ち、勝ち点3奪取に成功。試合後、名波浩監督はダブルボランチを手放しで称賛している。