第2戦は4ゴールで快勝。その要因は?
勝負は開始10分で決まってしまった。16日に行われたアジア競技大会のグループリーグ第2戦、森保一監督率いるU-21日本代表は、U-23パキスタン代表を4-0で一蹴した。
14日のネパールとの初戦は序盤の7分に先制したものの、残りの時間で追加点を奪うことができなかった。ところがパキスタン戦は2分に岩崎悠人のゴールで先制すると、9分に旗手怜央、10分に前田大然も決めて一気に畳み掛けることができた。
ネパール戦で出た「追加点を奪う」という部分にしっかりとフォーカスし、結果を残すことができ「選手たちが得点にこだわってこの試合に臨み、4点取れたことは良かった」と森保監督も手応えを感じているようだった。
今回のU-21日本代表は、11日にほとんどの選手に所属クラブでのリーグ戦があり、それを終えて12日に集合。午前中にコンディション調整が主目的の軽めの練習をこなして、午後インドネシアへ移動。さらに13日は練習場の照明の明るさ不足と劣悪なピッチの影響でフィジカルメニュー中心の練習になってしまった。
初戦を終えた翌日15日は、ネパールとの試合に出場した先発メンバー11人と途中出場の2人が宿舎でのリカバリーとなったため、グラウンドに出て練習できたのはGK1人を含む7人のみという状況。つまりチームとしてピッチ上で戦術の確認をする時間をほぼ確保できないまま、グループリーグの第2戦を迎えていたのである。
それを踏まえると、ネパール戦からパキスタン戦の短期間で課題をある程度修正できた背景には、ピッチ外での選手同士、あるいは森保監督らコーチ・スタッフ陣と選手たちとのコミュニケーションがスムーズに機能していることが窺える。
例えばパキスタン戦の2分に生まれた先制点の場面。岩崎は3バックの右に入った岡崎慎からのロングボールを受けて、相手最終ラインの裏に抜け出した。単調で停滞感が強かったネパール戦ではほとんど見られなかった最終ラインから相手の背後を狙うロングボールが、いきなりゴールに結びついたのである。