プノンペンで記者会見に参加した本田圭佑【©HONDA ESTILO】
元日本代表の本田圭佑は、カンボジア代表の実質的な代表監督に就任することを12日に発表した。プノンペンで開かれた会見では、カンボジアで独自のサッカースタイルを作り上げたいという目標を強調している。
オーストラリアのメルボルン・ビクトリーでプレーすることが決まった本田は、「週に1回や2回のテレビカンファレンス」を通してカンボジア代表監督の仕事を行っていくという。代表スタッフだけでなく、カンボジアの各クラブの関係者ともコミュニケーションを取っていきたいと話している。
その目的は、「全員がカンボジアサッカーの目指す方向性を理解すること」だと本田は語る。「目指すべき方向性が決まれば、それを信じて突き進むだけです。この目指すべきものがない国が多いのが現状」だと続けた。
「スペイン、イタリア、ブラジルのサッカースタイルがなんなのかをイメージできる人は多いと思います。ただ、日本のサッカー、カンボジアのサッカーのスタイルを思い浮かべられる人は少ない。そういう目指すべき方向性を決めて進むことが大事」
具体的には、ある程度日本と共通するスタイルが想定されるという。「カンボジアサッカー選手の特徴は日本と似ているので、ボールポゼッションとディフェンスのハイプレスは高められると思っています。みなさんにカンボジアのサッカーは変わったな、観ていて面白いなと思ってもらえるようなサッカーを目指していきたい」
カンボジアのサッカーのレベルについては、「私は世界トップクラスの選手をみてきているので、カンボジアの選手はまだまだ成長しないといけないと思っています」と本田。だが、日本代表として対戦した経験から、「若くて素晴らしい選手がたくさんいたので、各クラブにはまだまだ素晴らしい選手がたくさんいると思う」と期待を述べた。
本田はまた、事実上の“無給”で代表チームの指揮を引き受けたことも明かしている。「僕としては好きでやっているので。ここに来るための移動費をみていただくだけで、そのほかには受け取らないので、契約期間はあるようでないと言っていいかもしれません」と語った。
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