マリノスへの「驚き」はもうない
今季初のリーグ戦3連敗。無得点に終わったのも17試合ぶり。アウェイの等々力陸上競技場まで駆けつけた横浜F・マリノスのファン・サポーターからは、結果の出ない現状に対してブーイグも起こった。
5日に行われた明治安田生命J1リーグ第20節の川崎フロンターレ戦は、マリノスにとって0-2というスコア以上の完敗だった。1-1で引き分けた今季最初の対戦では、前半こそ圧倒的に攻め込まれたが、そこから巻き返して勝ち点1をもぎ取った。ところが今回は試合開始から終了まで、反撃の火種すら見つけられなかった。
公式記録に載ったシュート数「3」、先発メンバー11人の中でシュートを放ったのがDFの中澤佑二のみという事実が、前年度王者に対して認めざるをえない敗戦だったことをより強調する。
試合後の記者会見で出た「間違いなくフロンターレはいいチームで、非常に難しい試合になりましたが、内容としては五分五分の部分もあり、自分たちがチャンスをしっかり決めていればまた違う展開になったと思う」というアンジェ・ポステコグルー監督の言葉は、一層虚しく聞こえてしまう。
マリノスが過去の姿から劇的に変わろうとしているのは確かだ。そのためには相応の痛みも伴うだろうし、それなりの時間も必要なのは間違いない。ただ、前半戦で対戦したチームが抱いた「驚き」はもはやなくなっている。開幕直後には「この時期に当たって良かった」と何人かの選手が話していたが、彼らは次の対戦に向けてマリノスの進歩を想定しながら、それを超えるための策を練ってくる。