フランス代表のワールドカップ優勝に貢献したDFヴァランがバロンドールの最有力候補!?【写真:Getty Images】
リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウド。10年間にわたってサッカー界の覇権を握り続けてきた2人は、今夏のワールドカップで早期敗退に終わった。これによって「バロンドール」を誰が獲得するのかという論争が生まれている。
あるところではロシアワールドカップでMVPに輝いたクロアチア代表MFルカ・モドリッチが、またあるところではワールドカップで4ゴールを挙げるだけでなく、フランス代表で世界の頂点に立った19歳のFWキリアン・エムバペが、来年1月発表の「バロンドール」最有力候補と主張されている。
ところがスペイン紙『マルカ』は、別の意外な選手を「なぜ獲得できないのか?」と疑問を呈す形で最有力候補に挙げている。それはレアル・マドリーに所属するフランス代表DFラファエル・ヴァランだ。
25歳のヴァランは、過去20年で4人目の「同一シーズンにチャンピオンズリーグ(CL)とワールドカップを制した選手」となった。これまでに達成したのは元フランス代表のクリスティアン・カランブー、元ブラジル代表のDFロベルト・カルロス、ドイツ代表のMFサミ・ケディラの3人だった。
同紙は、これによってヴァランが「世界最高のDFの1人になった」とし、18歳からマドリーに在籍して今季で8シーズン目で「数年のうちにセルヒオ・ラモスからマドリーのキャプテンマークを受け継いでもおかしくない」と絶賛した。
ただ、DFは「バロンドール」を受賞しにくい。メッシやC・ロナウドのようにたくさんのゴールを決められるわけではなく、タイトルへの貢献も目に見えづらいからだ。それでも『マルカ』紙は、2006年にワールドカップを制した後、「バロンドール」に輝いた元イタリア代表DFファビオ・カンナバーロの例があるとして、ヴァランの初受賞を推している。
モドリッチ、エムバペ、アントワーヌ・グリーズマン…たくさんの名前が候補に挙がり、次の「バロンドール」が誰の手に渡るか予想するのは難しい。『マルカ』紙のパブロ・ポロ記者はヴァランについて「フランス代表の成功を最もよく表した選手」で、12月のクラブワールドカップも制した場合に「25歳で4度CLを制し、フランス代表とマドリーで世界の頂点に立ち、これ以上何かしなければいけないのか?」と述べている。
果たして誰が「バロンドール」を勝ち取るのか。やはりメッシやC・ロナウドなのか。授賞式のその日まで、この終着点の見えない議論は活発に続いていきそうだ。
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