満身創痍もスタメンはベストメンバー
クロアチアとしては負けた気がしない敗戦かもしれない。受け入れるのが難しい、という表現のほうが適切だろうか。
ロシアワールドカップ決勝・フランス戦を2-4で終え、初優勝を逃がした。1998年大会の3位を超える偉業を成し遂げた一方で、頂点に立つことができなかった。クロアチアとしては1失点目に繋がるFKはファウルではなかったと感じているだろうし、2失点目のPK判定もイバン・ペリシッチのハンドとするには厳しいと思っているのではないか。
不運と言えば不運だが、そこで確実にスコアを動かしたフランスをたたえるべきだろう。かといってクロアチアの戦いもまた絶賛されて然るべきものだった。相手より1日少ないオフながら準決勝と同じ11人がスタメンに名を連ね、その試合で左太腿を痛めたペリシッチもそれまでと変わらぬダイナミックなプレーを開始から見せている。
これまでと同様、序盤の様子見からカウンターで盛り返す戦い方をしてきたフランスのスタイルに関係なく、クロアチアは積極的にボールを動かし、自分たちの強みを出していく。もちろん、やりたいことだけを遂行したわけではない。不用意に失えば逆襲を食らい、ピンチを招くことは織り込み済み。それに対して恐れを抱くのではなく、正しい判断のもとでそれぞれがプレーしていく。
特に相手のキーマンに仕事をさせないよう、ボールのルートを操作することには余念がなかった。それは、フランスのエンゴロ・カンテを試合から消すことだった。