横浜FCの三浦知良が日本サッカー界の次世代を担う選手たちにメッセージを送った【写真:Getty Images】
天皇杯の3回戦が11日に行われ、横浜F・マリノスが横浜FCに延長戦の末2-1で勝利を収めた。
平日開催のニッパツ三ツ沢球技場には1万人を超える観客が詰めかけ、6年ぶりとなる横浜ダービーを盛り上げた。
先発出場で72分までプレーした横浜FCのFW三浦知良は「最高でしたね。マリノスのサポーターも素晴らしく、うちのサポーターも頑張って応援してくれていました」と語り、自身としては11年ぶりとなるダービーの雰囲気を楽しんだ様子だった。
「こういう雰囲気を作ってくれているのは両チームのサポーターだと思います。今日はマリノスがホームということで、なかなか僕らJ2の試合でこのスタジアムが満員になることはないので、楽しかったですね」
だが、「やっぱり勝たないと。みんな最後まで頑張りましたし、延長戦でも最後チャンスありました。2-1にされても諦めずに追いつくチャンスもある中で、やっぱりこういう試合は勝たないとね。『頑張った』とか『惜しかった』とか、『いいゲームをした』とか言われても、それではダメだと思います」と敗戦に悔しさも覗かせた。
横浜FCはリーグ戦で出場機会の少ないメンバー中心ながら、ベストメンバーの横浜FMをギリギリまで追い詰めた。この経験が、今後に活きてくると三浦は感じているようだ。ダービーマッチという特殊な試合の意味も含めて、こう語る。
「僕らのチームは19歳、20歳の若い選手たちが出て、こういうダービーの雰囲気を経験して、上(J1)に行かなきゃダメだと感じたと思うんですよね。上に行ってこういうチームと戦って、自分たちが強くならなきゃいけない。この経験ができたのはクラブとしても、若い選手にとってもすごくよかったと思います」
そして、横浜FCだけでなく日本サッカー界全体に向けて、次世代を担う選手たちへメッセージを送った。
「ワールドカップを見ていても、あれだけのレベルの選手たちが集まっている中で、大事なことというのはやっぱり気持ちの部分。日本代表もすごく国の誇りを持って戦っていたと思います。それが全面的にみんなのプレーから滲み出ていたと思います。スポーツの根本というのは、戦術がどんなに進歩しても、気持ちの部分が大事なのかなというのは改めてワールドカップを見て感じることでもありました。
そういう意味では自国のリーグが強くなっていかないと、代表チームの底上げにはならないと思いますし、ヨーロッパに行っている選手が多いですけれども、若い選手がリーグからどんどん、Jリーグを経て世界に出ていって欲しいし、Jリーグのレベルが上がることで、戦いのレベルも上がっていくと思います」
【了】