吉田麻也【写真:Getty Images】
ロシアワールドカップ決勝トーナメント1回戦・ベルギー戦から一夜明けた現地時間3日、ベースキャンプ地のカザンに戻った日本代表はメディア対応を行った。
8年に渡ってキャプテンを務めてきた長谷部誠が代表引退を表明した。吉田はしばしの沈黙の後「本当に素晴らしいキャプテンで…」と言うと、涙ながらにこう続けた。
「僕も7年半、彼と一緒にやってきましたけど、本当にあれだけチームのことを考えてプレーできる選手は少ないでしょうし。ずっと彼を見て、彼の姿勢から学ぶことがたくさんあったので。この大会が終われば、長谷部さんだけじゃなくて長くやってきた選手たちとやれなくなるという覚悟はあった。わかってはいたことですけど、本当に公私共に、長く一緒にいる時間があって、みんなと仲良くさせてもらってきたので。さびしいですね」
何度も言葉を詰まらせながら、想いを打ち明けた。吉田自身もロシアワールドカップアジア最終予選・UAE戦でキャプテンマークを巻き、重圧を経験している。
「どう足掻いても長谷部誠にはなれないので。これはUAE戦の時も言いましたけど。自分のスタイルで代表チームを引っ張っていかないといけないですし、なかなかああいう選手の後をやるのは、やりづらいと思うので、誰かやってくれないかなと思います(笑)。まあでも決めるのは監督なので」
日本代表は新たな時代を迎える。今後、メンバーの顔ぶれも変わっていくと思われるが、吉田は「立ち止まっては行けない」と口にする。「ベスト16に行ったことで満足してはいけないし、実質問題コロンビアにしか勝っていない。本当に国際舞台で勝つためにどうすればいいのか考えながら行くためには、まずは勝ち続けることだと思う」と自身の考えを述べた。
吉田には、これからも日本代表をけん引する役割が期待される。「しっかり頭も体も休ませて、またイチからスタート切れるように。サウサンプトンでまたいいパフォーマンスを出して、代表に戻れるようにしたいなと思います」と、守備の要は決意を語った。
(取材:元川悦子、文・構成:編集部)
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