日本の攻撃が一変した後半
タフな相手に勝ち切った。2日に行われたロシアワールドカップの決勝トーナメント1回戦。ベルギー代表は、日本代表と戦った。
日本は、試合開始から積極的にプレスを掛けてきた。1分も経たないうちに、カラスコの中途半端なクリアが、香川真司に拾われ、そのまま鋭いミドルシュートを許す。その香川と大迫勇也を筆頭に、[4-4-2]で守備ブロックを整える日本代表。ベルギー代表に対して、臆する様子はない。ベタ引きでゴール前を固めるのではなく、ラインを高く保ちながら、連動してボールを奪いに来る。
そんなコンパクトな陣形でしっかりと守ってくる日本代表に対して、ベルギー代表は、なかなかゲームを作ることができない。中盤のヴィツェル、デブルイネに対するケアも十分。デブルイネがボールを持てば、柴崎岳が執拗に付いてきた。縦パスが入ったアザールがドリブルで突破しようとすれば、複数でしっかりと対応してくる。ルカクにロンボールを送っても、昌子源がきっちりと対応。日本代表の意志統一が徹底された守備を前に、ベルギー代表は、攻撃のリズムとテンポを掴めない。
もっとも、日本代表もボールを奪った後のアクションに精度を欠いたため、ベルギー代表のアタッキングサードが脅かされることもなかった。30分前後、パスを回される時間帯もあったが、さほど脅威にはならなかった。
しかし、そんな日本代表の攻撃の精度は、後半に入ると一変する。48分、メルテンスからムニエへのリターンパスが、長友佑都と乾貴士によって奪われると、日本は流れるようなカウンターを繰り出してきた。乾からパスを受けた柴崎が、絶妙なスルーパス。左の大外から走り込んできた原口元気に、きっちりと決められ、日本に先制を許した。