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吉田麻也、データが示す獅子奮迅の守り。8強進出ならずも…ベルギーに立ちはだかった日本の壁【ロシアW杯】

text by 編集部 photo by Getty Images

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吉田麻也【写真:Getty Images】

【日本 2-3 ベルギー ロシアワールドカップ決勝トーナメント1回戦】

 日本代表は現地時間2日、ロシアワールドカップ決勝トーナメント1回戦でベルギー代表と対戦し、2-3で逆転負けを喫した。

 敗退を告げるホイッスルを、吉田麻也はベルギー陣内で聞いた。その直前に逆転ゴールを許しており、総攻撃を仕掛けるためだった。まだ勝利を諦めてはいなかった。だが、相手ゴールに駆け出した瞬間、試合は終了。ロシアワールドカップにおける西野ジャパンの最終成績はベスト16。史上初の準々決勝進出はならなかった。

 最後はベルギーの前に屈する形となった日本代表。西野朗監督が「本気のベルギーがそこにあった」と振り返ったように、2点のビハインドを背負ったFIFAランキング3位のチームは真の姿を現し、日本をどん底に叩き落した。だが、日本も最後まで抗い続けた。顕著なのは吉田の奮闘だろう。

 90分を通じて、背番号22は集中力の高い守備を見せている。データサイト『Who Scored』によると、クリアの数は「14」を記録。これは両チーム合わせて断トツの数字で、2番目に多いヴァンサン・コンパニーは5回だった。ベルギーの猛攻に晒されたのは間違いない。だが、吉田がことごとく相手の前に立ちはだかったことを如実に表すものでもある。

 エデン・アザール、ドリース・メルテンス、ケビン・デ・ブルイネ、途中出場のマルアン・フェライニなど、ベルギー攻撃陣の個の能力は世界トップクラス。さらに190cm、94kg と規格外の体躯に加え、スピードも得点能力も備えるロメル・ルカクにも虎視眈々とゴールを狙ってきた。しかし、吉田はこのハイスペックFWに自由な仕事を許さなかった。マッチアップする場面でも最後まで身体をぶつけ、万全の体勢をとらせぬよう力を振り絞った。多士済々の面々が揃う相手に対して集中力を切らさず、正しいポジショニングをとることで日本のピンチを救った。

 最終的に3失点を喫して敗れた。「全く満足していない」と振り返っている。リードを守れず試合最終盤に逆転弾を浴びたのだから無理もない。ディフェンダーとしては悔しさが残る負け方だった。それでも、吉田は守備のリーダーとして高いパフォーマンスを披露した。

 世界最高峰のイングランド・プレミアリーグで6シーズンに渡ってプレーし、ここまでの過程では惨敗に終わった2014年ブラジルワールドカップも経験。当時はワールドクラスのアタッカーに蹂躙された。しかし、ベルギー戦での働きは特筆すべきものであり、日本代表センターバックとしての頼もしさがあった。

【了】

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