本来の勇敢さを取り戻したポーランド戦
2014年ブラジルワールドカップ準優勝のアルゼンチン、2016年欧州選手権王者のポルトガル、2010年南アフリカワールドカップ覇者のスペインと、優勝候補が次々と敗れ去っていく2018年ロシアワールドカップ・ラウンド16。FIFAランキング61位の日本も下馬評は低いものの、同3位のベルギーに負けると決まったわけではない。
2日のロストフ・アリーナでの両者の激突に向け、今大会を通して神がかり的采配を見せてきた日本の西野朗監督も「紙一重の戦いだとも思うので、我々にも勝機がピッチのどこかに落ちている。それを拾っていきたい」とサプライズを虎視眈々と狙うつもりだ。
日本サッカーの新たな歴史を刻む大一番に向け、6月30日に現地入りした日本代表は1日夜、市内のオリンプ2・スタジアムで前日練習を行った。本来であれば、公式練習は試合会場で実施するのが通例だが、ピッチ状態の問題で両チームとも別の施設へ移動してトレーニングを行う羽目になった。
芝の状態や感触などが確かめられなかったのは懸念要素ではあるが、香川真司は「それは全然大丈夫」と強調。お互いにぶっつけ本番ということで、どちらがいち早く環境に適応するかが1つの重要ポイントになってくる。
ピッチの問題は守護神・川島永嗣にとっても気になる点だろう。蹴られたシュートやクロスボールがどうバウンドするかを確かめられなかったことは本番の予測や反応に影響しかねない。けれども、28日のポーランド戦のスーパーセーブを機に本来の勇敢さを取り戻した35歳のベテランGKは全く動じていない様子。
「試合の状況によって対応していくしかない。ただ試合が夜な分、涼しくて前の試合よりはやりやすい」と力強い発言をしていたのもチーム全体にとって心強い点だろう。