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クロアチアを“殺した”デンマーク。張り巡らされた数々の策。敗退でも示したその強さ【ロシアW杯】

ロシアワールドカップ・決勝トーナメント1回戦はクロアチア対デンマークの一戦が現地時間1日に行われた。結果はクロアチアがPK戦の末にベスト8へと駒を進めた。しかし、デンマークは120分を通してクロアチアを封じ込めることに成功した。クロアチアは持ち味をまさに“殺される”格好となったが、デンマークはどのような策を張り巡らせたのか。(文:海老沢純一)

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

DFラインからのビルドアップを封じ込める

デンマーク代表
デンマーク代表【写真:Getty Images】

 クロアチア対デンマークという東欧のテクニックと北欧の城壁の激突となったカードは、玄人好みの一戦になるという予感が漂っていた。そして、試合展開はまさにその通りだった。一見すると膠着した展開は面白味に欠ける印象を受けるが、ピッチ上にはデンマークがクロアチアを“殺す”ための様々な策が張り巡らされていた。

 クロアチアは4-1-4-1の布陣で、ロヴレンとヴィダというビルドアップ能力の高い2人がCBでコンビを組み、アンカーのブロゾビッチとともにモドリッチとラキティッチにつないでいく。そして、センターFWのマンジュキッチのポストプレーでタメを作り、サイドのペリシッチとレビッチが抉ったスペースにSBのストリニッチとヴルサリコが果敢にオバーラップを見せる。

 一方、デンマークは4-2-3-1の布陣で、センターFWのコーネリウスとトップ下のエリクセンがクロアチアのCBに高い位置からプレスを仕掛ける。今大会は多くのチームがハイプレスではなくミドルゾーンでブロックを作る守備を見せていたため、試合開始直後からクロアチアはデンマークのハイプレスに対応しきれていなかった。

 さらにデンマークは自陣でボールを持った際にはCBのケアーとヨルゲンセンがともに13本のロングパスを記録するなど、193cmの右WGユスフ・ポウルセンを目がけてロングボールを蹴り込んだ。そしてこのボールをポウルセンがしっかりと収めるため、クロアチアの左SBストリニッチは攻め上がることができず、最終ラインにとどめられてしまった。

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