強引さと繊細さの同居
スペインの攻撃陣の中で1人だけ雰囲気の違う選手がいる。小柄でインテリジェンスに溢れた繊細なテクニシャンたちの先頭に立つジエゴ・コスタだ。ブラジル人だが、あんまりそういう感じもしない。188cmの長身、スピードとパワーを兼ね備えたゴールゲッターは他のスペイン人アタッカーにはない強引さを持っている。
初戦のポルトガル戦では、ジエゴ・コスタの個人技から1点を奪った。縦1本のロングパスを受け、1人でDF3人を相手にパワーとテクニックで振り回してシュートをねじ込んでいる。これは他のチームメートにはできないプレーだった。
一方、イラン戦では巧妙な動きでアンドレス・イニエスタからのラストパスを引き出している。イニエスタがワンツーでイランの守備網をはがした瞬間、ジエゴ・コスタはいわゆるプル・アウェイの動きで完全にマークを外していた。シュート自体はターンしたときに相手DFのクリアが足に当たって入ったものだが、そこまでの抜け出し方は完璧だった。豪快なプレーが目立つが、こうした緻密な駆け引きもできる。
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