付け焼き刃の堅守速攻と、骨の髄まで堅守速攻
ウルグアイは、ポルトガルとクリスティアーノ・ロナウドにとって最悪の相手だったのかもしれない。
例えば、優勝を遂げた2016年のEUROでは、決勝トーナメント全試合で相手よりも低いボール支配率を記録して勝利を挙げた一方で、アイスランド、オーストリア、ハンガリーと同組だったグループリーグではすべて50%を大きく上回る支配率を記録しながら3引き分けと勝利を挙げることができなかった。
これは、クリスティアーノ・ロナウドという選手がカウンターでこそ力を発揮するため。しかし、本来のポルトガルは歴史的に技術の高い選手がそろい、パスワークを強みとするチームだった。
それに対して、ウルグアイは伝統的にカウンターを強みとするチーム。特に現在の主力であるセンターバックのディエゴ・ゴディンとホセ・マリア・ヒメネス、2トップを組むルイス・スアレスとエディンソン・カバーニは、いずれも世界最高峰の能力を持っており、堅守速攻という点においては今大会のベスト16中最強とも言える。
付け焼き刃の堅守速攻と、骨の髄まで堅守速攻。そういった両チームの対戦だけに、ボール支配率は67%:33%。キックオフからボールを保持することとなったのはポルトガルだった。
この傾向は、イランとのグループリーグ第3戦でも同様だったが、この試合でのロナウドは、いい形でボールを受けることができず、ドリブルの回数は1・2戦目より多かった一方で失敗したPK以外に決定的なチャンスは得られなかった。