リオネル・メッシ(左)、キリアン・エムバペ(中央)、クリスティアーノ・ロナウド(右)【写真:Getty Images】
現地時間6月30日にロシアワールドカップ決勝トーナメント1回戦の2試合が行われた。アルゼンチンはフランスに敗れ、ポルトガルはウルグアイに屈している。FWリオネル・メッシとFWクリスティアーノ・ロナウド、近年のサッカー界をリードしてきた2大スーパースターが、一夜にしてワールドカップの舞台から姿を消した。
今大会、メッシはワールドカップ4大会連続でアシストを記録し、C・ロナウドは4大会連続ゴールという史上初の偉業を成し遂げた。だが、2人が求めていたのはそんな記録ではないはず。少なくとも、ベスト16での敗退は満足のいくものではない。
ディエゴ・マラドーナを超えるために唯一足りないタイトルがワールドカップと言われ続けてきたメッシ。アルゼンチンは南米予選で苦戦したが、最後にメッシが輝いて土壇場で本大会行きを決めた。ロシアワールドカップ・グループリーグでは1戦目、2戦目と結果が出ず非難にさらされたが、3戦目のナイジェリア戦でゴールを記録。追い詰められてからの底力は、圧倒的なスター性を感じさせた。
一方、C・ロナウドは開幕からフルスロットル。初戦のスペイン戦で開始4分にゴールを決めると、2-3で迎えた終盤に同点弾も決めて、ハットトリックを達成してポルトガルに勝ち点をもたらした。続くモロッコ戦ではC・ロナウドの得点が決勝点となり、勝ち点3をつかんでいる。他の強豪国に比べるとワンランク落ちるという評判もあるポルトガルだが、それでも2年前にEURO2016を制した。それだけに、C・ロナウドならポルトガルをワールドカップでも成功に導くのではないかという期待感はグループリーグから高まっていた。
2人とも4度目のワールドカップ。メッシは31歳、C・ロナウドは33歳と、ベテランの域に入っている。2人にとってロシアが最後のワールドカップになるという可能性は以前から繰り返し噂になっており、だからこそ、この2大スターのワールドカップでの物語にハッピーエンドを期待した。
だが、2人はベスト8に進むことなく、ロシアを去ることが決まっている。
もちろん、2人はいまでもスターであり、それぞれの代表の中心選手だ。しかし、この6月30日は「世代交代」を強烈に感じさせる一日だった。ワールドカップ決勝トーナメント1回戦の2試合で、最も見る者を魅了したのは、メッシでもC・ロナウドでもなく、19歳のフランス代表FWキリアン・エムバペだったのだ。
メッシとC・ロナウドのプレーにまだまだ驚き続けたいが、時代は変わり始めたのかもしれない。
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