本田圭佑がベルギー戦に向けて決意を語った【写真:Getty Images】
日本代表は30日、ロシアワールドカップの決勝トーナメント1回戦・ベルギー戦に向けてキャンプ地・カザンで練習を行った。
28日のポーランド戦から中3日という過酷なスケジュールで、日本にとっての大きな壁だったベスト16を越えるための戦いに挑む。8年前の南アフリカ大会で同様の舞台を経験しているMF本田圭佑は、ベルギー戦に向けて「やれることは限られてますよね」と語る。
そのうえでもっとも重要になるのは「精神的な部分」だと述べ、「思い切ってやるってことはできると。それは2010年のパラグアイ戦でもできた。でも次の前に進まないといけない」と、今回のベスト8を目指す戦いの意義を説いた。
「僕自身、監督が言う『余力』というのはフィジカル的なものだけじゃないと思ってます。精神的なところで明らかに違うと。それは2010年を経験した選手がまだ何人もいるということが、明らかにビッグアドバンテージだということは間違いない。ただ、その余裕がある状況でチャレンジできるこの状態で勝てるかどうか、分が悪い戦力だと思うので、プラスアルファは必ず要求されるし、そこに果敢に思い切って楽しみながらプレーしたい」
本田は「強豪国と言われるようなブランドをこの近年で築いた」ベルギーと日本の実力を比較して、厳しい戦いになることを覚悟している。それを乗り越えるために必要なのが「楽しむ」ことだという。
「いくら経験していても、経験値だけで対応できないほどのシチュエーションというのは起こり得るので、そういう時ってとりあえず、右も左も分からずチャレンジなんですけど、人っていうのは。でもそこにただ単にチャレンジではなくて、なんかこう楽しみながらというか、遊び心を持ちながら、未知のチャレンジが次の試合では求められると思ってます」
日本はグループリーグを突破した16ヶ国の中で、唯一『11人の相手に勝っていないチーム』である。今度のベルギー戦は、格上の相手に勝たなければ次のラウンドに進めない。これまでとは全く質の違う戦いになる。
本田は予期せぬアクシデントが起きた時に「質の高いプレー」が求められると考え、そこでプラスアルファを表現できるかは「一生懸命頑張るだけではないということを、どれだけ選手が理解して、ピッチで想定していた以外のことが起きた時にも対応できるか」にかかっていると語った。
「少なくともベルギーを見たくて(日本との試合を)見る人は世界中にそれなりにいるでしょうし、それをうまく利用してね、日本がどれだけサプライズを与えられるか」
コロンビアから勝ち点3をもぎ取り、セネガルと2-2の激闘を演じて勝ち点1を確保し、FIFAランキング61位ながら決勝トーナメント進出を果たした以上の驚きをもたらせるか。日本にとっても本田にとっても未知の領域へ足を踏み入れるための戦いが始まる。
(取材:元川悦子【カザン】、文・構成:編集部)
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