ビデオ・アシスタント・レフェリー【写真:Getty Images】
ロシアワールドカップは現地時間28日までにグループリーグの全日程を終了し、30日からはいよいよ決勝トーナメントが開始される。今大会からの大きな変化のひとつは、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が導入されたことだ。
従来はピッチ上の審判団のみがプレーに対して判定を行っていたが、今大会からは映像の確認が行われ、主審のジャッジを助けている。実際に、得点やPKなどの判定に対してVARが用いられ、判定が覆る場面もあった。
29日付スペイン紙『マルカ』では、VARによる判定がもし行われていなかったとすれば、各グループの順位がどう変化していたかを論じている。
B組では、スペイン対モロッコ戦の後半アディショナルタイムにスペインのFWイアゴ・アスパスがゴール。一旦はオフサイドとされた判定がVARで覆り、得点が認められた。このゴールでスペインはポルトガルを抑えての首位通過となったが、VARがなければ2位となるところだった。
C組ではフランスがオーストラリアとの初戦でVARによる判定で獲得したPKを決めて先制し、最終的に2-1で勝利。オーストラリアもデンマーク戦でVARにより獲得したPKを決めて1-1のドローに持ち込んだ。これらの得点がなければグループ首位はフランスではなくデンマークだった。
F組でもスウェーデン対韓国戦で、VAR判定によるPKがスウェーデンの1-0の決勝点となった。最終的にはスウェーデンが首位通過したが、VARがなければ首位はメキシコとなり、スウェーデンは2位だったかもしれない。
結果的には、VARによる判定変更がなかったとしても決勝トーナメントに進出する16チームの顔ぶれは変わらず。だが3つのグループでは1位と2位が入れ替わり、決勝トーナメントの組み合わせも変わっていたことが想定されている。
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