ヴォルゴグラードのスタジアム近くにあるバス停に設置された電光掲示板。温度計の表示は38度【写真:植田路生】
日本代表は現地時間27日、ロシアワールドカップのグループリーグ第3戦・ポーランド戦に向けた前日練習をヴォルゴグラードで行った。
これまで勝ち点4、グループ首位に立つ日本代表だが、ポーランド戦では少し違った戦い方が求められそうだ。ヴォルゴグラードは異様な暑さ、当日の試合開始時間と同じ17時になっても38度もの高温状態にある。まさに灼熱地獄で、中東での試合のようだ。
選手たちのコンディションは問題なさそうに見えたが、練習冒頭の公開されたわずか15分間の中でも頻繁に飲水しており、かなり厳しい戦いになりそうだ。もちろんこれはポーランドにも当てはまる。いかに消耗を減らして試合を進めるかが鍵になってくる。
ポイントは、体力を温存しつつ、どこでスイッチを入れるのか。序盤から攻勢をかけて一気に試合を決めてしまうのか、あるいは前半はのらりくらりと省エネでやり過ごし、相手が後半疲れてきたときに一気に畳み掛けるのか。
難しい判断になるが後者がいいのではないか。ポーランドはリゾート地・ソチでキャンプをし、バカンス気分。既に敗退も決まっており、後半疲れているときにもう一歩がんばるメンタリティにならないのではないか。
もちろんのらりくらりとは言っても、失点をしないためのリスクマネジメントは徹底しなければならない。また、後半には交代選手も含めたベンチワークも重要だ。60分なのか70分なのか、どこで選手にメッセージを伝えるのか、いつも以上に西野朗監督の試合を読む力が求められる。
ポーランド戦はベスト16進出がかかっている。いつも以上の緊張感、そしてとてつもない暑さのなか、冷静な試合運びをしなければならない。
(取材・文:植田路生【ヴォルゴグラード】)
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