スイス代表のジェルダン・シャキリ(左)とグラニト・ジャカ(右)【写真:Getty Images】
スイス代表の3選手が「政治的」なゴールパフォーマンスを見せたとして国際サッカー連盟(FIFA)から罰金処分を受けた一件で、処分は不当だとして罰金を負担するため募金を呼びかける動きが起こっており、アルバニアの首相らも自ら動いている。英紙『デイリー・メール』が26日付で伝えた。
現地時間22日に行われたロシアワールドカップ・グループリーグE組第2節の試合で、スイス代表とセルビア代表が対戦し、スイスが2-1で勝利を収めた。この試合でゴールを記録したスイスのMFグラニト・ジャカとMFジェルダン・シャキリのゴールパフォーマンスが物議を醸した。
2人が見せたポーズは、開いた手を胸の前で組み合わせるもの。これはアルバニア国旗に描かれた“双頭の鷲”を意味するものだ。ジャカの両親はコソボから移民してきたアルバニア人、シャキリはコソボ出身という2人のルーツを強調する行為だった。
対戦相手のセルビアはコソボの独立を認めておらず、独立を認めるアルバニアと対立関係にある。セルビア戦でのこのゴールパフォーマンスは政治的なメッセージにあたると判断され、ジャカとシャキリに対しては1万スイスフラン(約111万円)、パフォーマンスに参加したDFシュテファン・リヒトシュタイナーに対しては5000スイスフラン(約56万円)の罰金処分が科された。
ワールドカップ中の出場停止処分を免れたことは、スイスの選手たちにとっては幸いだったかもしれない。だが処分自体を不当として、3選手の罰金を負担するため募金を呼びかける動きも起こっている。アルバニアのエディ・ラマ首相も自らその運動に加わり、募金を入金するための口座を開設したという。
アルバニアの首都ティラナのエリオン・ベリアイ市長もFIFAからの処分に反発。「鷲のサインは、“鷲の国”であるアルバニアの人々にとって、ハイタッチやサムズアップと同じように祝福のジェスチャーのひとつだ」とツイッターで投稿している。
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