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代表 6年前

スペイン、「ティキタカ」の終焉か…。迷い込んだ無限回廊、そこに世界王者の面影なし【ロシアW杯】

現地時間25日に行われたグループリーグB組第2節、スペイン対モロッコの一戦は2-2-のドローに終わっている。スペインはこの試合で支配率75%を記録するものの、決定機を多く作り出せず。決勝トーナメントではより厳しい戦いが予想される。(文:小澤祐作)

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

世代交代を進めながらベースを崩さず

スペイン代表
モロッコ戦で勝利を挙げることができなかったスペイン代表【写真:Getty Images】

 2010年南アフリカワールドカップ時のスペインは、無類の強さを誇っていた。「ティキタカ」と呼ばれる魅惑のパスサッカーで見る者を虜にし、世界の頂点まで上り詰めたのである。もはやサッカー界は、スペインを中心に回るのではないかと思わされたほどだ。

 だが現実はそう甘くはなかった。迎えた2014年ブラジルワールドカップ。同国史上初の連覇に挑んだ無敵艦隊だったが、まさかのグループリーグ敗退という憂き目に遭ってしまう。「ティキタカの終結」。そんな言葉も耳に入ってくるようになった。

 事実、近年のサッカー界のトレンドはポゼッションではなくなっている。昨季のチャンピオンズリーグ決勝に残ったのも、リバプールとレアル・マドリーというカウンターを得意とするチームであった。そしてロシアワールドカップでも、ポゼッションを重んじるドイツを、メキシコはカウンターで仕留めた。時代は明らかに変わっている。

 しかし、スペインはその時代の波には飲まれない。自分たちのスタイルであるポゼッションサッカーというベースを残しながら、世代交代を進めている。アンドレス・イニエスタ、ダビド・シルバら8年前の優勝を知るメンバーに加え、イスコ、マルコ・アセンシオら新しい風を吹き込む選手とともに、自分たちの時代を取り戻そうとこのロシアワールドカップに挑んできた。

 グループリーグB組第1節のポルトガル戦ではクリスティアーノ・ロナウドのハットトリックを浴びて引き分けに終わったが、内容はまずまずであった。続く第2節のイラン戦では引いた相手に対し大苦戦を強いられるが、ここでも何とか1点をもぎ取り勝ち星を収めた。

 2戦を終え1勝1分。決して合格点を与えられる出来ではないが、開幕直前に監督交代という悲劇に見舞われながらもこの成績を残せるのは、さすがと言うべきであろう。

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