日本代表の乾貴士。セネガル戦で1ゴール1アシスト【写真:Getty Images】
ロシアワールドカップのグループH第2節現地時間24日に行われ、日本代表とセネガル代表が2-2で引き分けた。
この試合、元コートジボワール代表FWのディディエ・ドログバや、元イングランド代表DFのフィル・ネヴィル氏らが英『BBC』のスタジオ解説を務めていた。
彼らの琴線に触れたプレーは、34分に生まれた日本の同点ゴールだったという。1ゴール1アシストでチームに大きく貢献した左ウィングと、そのゴールをアシストしたDF長友佑都の動きをフィル・ネヴィル氏が解説した。
ゴールの起点になった柴崎岳によるサイドを変えるロングパスが放たれる直前、セネガルは5-4-1に近い形で中央に寄ってコンパクトなブロックを形成していた。そのため大きく開いた日本の両サイドは比較的フリーになっていた。
「中盤に目を向けてみると、そこに多くのスペースはない。ここで(柴崎が)サイドを変えて、サイドバック(長友)が飛び出していく。カバーする選手たちは全員がインサイドに走るサイドバックを見ていて、長友の後ろから走りこんでくる選手(乾)のことは見ていなかった」(P・ネヴィル)
長友がサイドに大きく開いて高い位置を取ったところから、斜め方向に走ってゴールに向かっていくような動きを見せたことで、同サイドのセネガルの選手たちからの視線は一気に日本の背番号5に向いた。
乾は長友が走り出した後、少し遅れ気味でペナルティエリアに入っていく。そして2人はゴールに対して左45度のところでスイッチし、乾が右足で低くカーブのかかったボールをゴール右隅に蹴り込んだ。
「ボールを受けてカットインする際のタッチはベストとは言えないが、似たようなチャンスは後半にもあった。シュートのカーブはファンタスティック。DFを動かし、(カリドゥ・)クリバリの右を抜いた。マーカーは動き回らされて、タッチこそ最高ではなかったが、素晴らしいフィニッシュになった」(P・ネヴィル)
長友はボールを受けると、かなり大きめのタッチで右に持ち出して乾と入れ替わった。この場面のボールコントロールが「最高ではなかった」ように見えたようだが、背番号8の得意な角度からの「ファンタスティック」なシュートで「素晴らしいフィニッシュ」を実現したのである。これにはドログバも「本当に素晴らしいフィニッシュだ」と賛辞を惜しまない。
2大会ぶりのグループリーグ突破がかかった28日のポーランド戦では、再び長友と乾の好連係や、ゴールは見られるだろうか。彼らは以前よりも自分たちのプレーに自信を深めているはず。日本の攻撃の大きな武器になりうる左サイドの動きにも注目だ。
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