サディオ・マネのゴールを元コートジボワール代表FWディディエ・ドログバが分析【写真:Getty Images】
現地時間24日に行われたロシアワールドカップのグループH第2節、日本代表とセネガル代表が2-2で引き分けた。
11分にサディオ・マネのゴールでセネガルに先制を許した日本は、乾貴士のゴールで同点に追いつくも、後半にムサ・ワゲにゴールを奪われ再び勝ち越された。それでも78分に本田圭佑が3大会連続となるゴールを挙げ、しぶとくドローに持ち込んだ。
英『BBC』でスタジオ解説を務めた元コートジボワール代表FWのディディエ・ドログバは、マネの先制点の場面を分析し「インザーギ・ゴールだ」と賛辞を送った。
かつてチェルシーなどで活躍し、今年限りでの現役引退を表明しているレジェンドストライカーは「プレーに全く関与していなくても、彼は正しいスペースにいた」とセネガルのエースを称える。そして「GKからのクリアはひどかったが、マネはゴールを決められるスペースにいた。そうでなければならなかったので、彼の手柄だ」と、あくまでゴールを奪った方のマネに注目していた。
右サイドバックのムサ・ワゲが高い弾道のクロスを上げると、遠い方のサイドで日本のMF原口元気が中途半端なクリアをしてしまう。こぼれ球を拾った左サイドバックのユスフ・サバリがシュートを放ち、GK川島永嗣が弾いたボールを目の前に詰めていたマネに押し込まれた。
マネはサバリがシュートを打つ瞬間にゴールへ向かってポジションを取り直し、酒井宏樹の背後、吉田麻也の目の前でフリーになって、フィニッシュのチャンスをうかがっていた。この嗅覚がドログバには、イタリアの伝説的FWフィリッポ・インザーギに重なったようだ。
「インザーギは背が高いわけではないし、パワーがあるわけでもない。だが、ボールはなぜかいつも彼の隣に転がってきて、ゴールを決めることができる。人々は『イージーゴール』と言うだろうが、ストライカーがゴールを決められるポジションにいたから決まったわけで、それが本当に難しい。そういうチャンスのことをずっと考えているわけではないからね」
日本戦におけるマネの先制点は、彼のストライカーとしての経験と感覚が存分に発揮されたものだったと言えるかもしれない。なお、ドログはマルコ・ファン・バステンとブラジルの“怪物”ロナウドを参考に技を磨いてきたというが、なかなか彼らのようにはいかなかったようで「お分かりの通り僕は足が遅かったから。全力は尽くしたけど(笑)」と自虐的に語ってスタジオの爆笑を誘っていた。
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