釘付けとなった5バック。中盤に大きなスペース
ピッチで躍動するコロンビアは、5日前とはまるで別のチームだった。クアドラードは右サイドを攻守で支配し、左サイドのハメス・ロドリゲスは試合を動かす決定的なパスを繰り出す。そして、センターFWのファルカオは、冷静な動きで相手DFを翻弄した。
日本代表を相手にシミューレションを繰り返すなど冷静さを失ったファルカオも、コンディションが悪く重い甲羅を背負っているかのようなハメスもいなかった。
真の姿を見せたコロンビアに対し、ポーランドは前節セネガル戦の4-2-3-1から3-4-3に変更。守備時にはウイングバックの2人が下がり、5バックでコロンビアの攻撃陣と対峙した。
この布陣変更は、コロンビアにとって有利に働いた。ポーランドは5バックで守るため、中盤に大きなスペースが生まれる。その結果、左SBのモヒカがオーバーラップする余裕が生まれ、ハメス、キンテーロ、クアドラードの2列目と合わせて厚みのある攻撃ができていた。
さらにポーランドのDFラインは5バックで中央を固めるという意識が強かったせいか、サイドでの攻防は多くの場面で1対1。40分の先制点を生んだCKのきっかけとなった場面でも、クアドラードに対して左WBのリブスが1人で対応したため簡単に突破を許していた。
試合後のスタッツを見ると、2列目の3人全員が85%以上のパス成功率を記録し、計11回のドリブル突破を仕掛け、7本のシュートを放った。この2列目の3人が中盤で自由を得て多くのチャンスを作り出すことで、ファルカオも落ち着いたプレーが可能となる。
逆にポーランドは、コロンビアの攻撃に対応するために5人が釘付けになり、攻撃陣との意識の乖離が大きくなる。ウイングバックが攻撃参加に回ることができず攻撃の形を失ったため、センターFWのレバンドフスキにロングカウンター以外の効果的なパスは入らず。ウイングのジエリンスキもコフナツキも存在感が消えていた。