日本対セネガルの主審を務めるジャンルカ・ロッキ氏【写真:Getty Images】
国際サッカー連盟(FIFA)は23日、翌日に行われるロシアワールドカップのグループH第2節、日本対セネガルの審判団を発表した。
メインの審判団はイタリアのセットで、主審をイタリア人のジャンルカ・ロッキ氏が務め、副審はエレニート・ディ・リベラトーレ氏とマウロ・トノリーニ氏が担当する。第4審判はカタール人のアブドゥルラフマン・アル・ジャシーム氏、サブ副審に同じくカタール人のタレヴ・アル・マーリ氏が任命された。
主審のロッキ氏は15日に行われたグループBの初戦・スペイン対ポルトガルも裁いていた。3-3のドローに終わった試合では、開始3分でポルトガルにPKを与える笛を吹いた。ファウルは22回、イエローカードは両チームに1枚ずつ、計2枚提示していた。
前回大会の決勝で笛を吹いたニコラ・リッツォーリ氏が国際主審から引退し、初めてワールドカップで試合を裁く権利を手にしたロッキ氏。国際試合における日本との接点もあり、2012年ロンドン五輪準決勝の日本対メキシコで主審を務めていた。
2000年にイタリア・セリエCで審判キャリアをスタートさせたロッキ氏は、2010年から国際主審として活動している。セリエAでの経験も豊富で、リッツォーリ氏やパオロ・タリアベント氏、ダニエレ・オルサート氏らとともに、ビッグマッチのジャッジを任されることも多い。
ところが不安もある。ロッキ氏は2014年10月に行われたセリエAのユベントス対ローマにおいて、3つのPKに2枚のレッドカードを提示し、その判定が物議を醸した。この試合では前半からイエローカードが6枚も乱れとび、3つのPKのうち2つは議論の余地が残るもの。さらにローマのリュディ・ガルシア監督(当時)に退席処分も言い渡した。
この一件のあと、ロッキ氏はイタリア審判協会から約1ヶ月の休養を命じられた。このように制御不能に陥って試合を壊してしまうことは、過去に何度もあった。今季のチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦1stレグ、レアル・マドリー対パリ・サンジェルマン(PSG)でセルヒオ・ラモスのペナルティエリア内でのハンドを見逃した可能性も指摘されていた。この試合はPSGが1-3で敗れた。
なお、ロッキ氏は今季のセリエAで16試合を担当し、1試合あたり平均24.95回のファウルをとり、平均0.56回のPKを与えている。イエローカードは合計75枚を提示し、1試合平均に直すと4.69枚となっている。レッドカードは合計8枚、1試合平均0.5枚だった。
特筆すべきは1試合平均のPK回数で、これは今季のセリエAを10試合以上裁いた主審の中で2番目に多い数字となっている。1試合平均のイエローカード枚数もリーグ2番目の多さで、同じようにレッドカードも2番目に多い。
もちろんイエローカードやレッドカードの総枚数も多く、前者はリーグ3番目、後者はリーグ2番目と、厳し目の判定を下す傾向にある。カードによる抑制にも頼りがちで、累積2枚で次の試合が出場停止になってしまうワールドカップでは要注意の主審と言えるかもしれない。
日本では初戦のコロンビア戦でイエローカードを受けたGK川島永嗣が、警告の累積による出場停止にリーチがかかっている。
グループリーグ突破に向けて重要な日本対セネガルは、日本時間の24日24時(25日0時、現地時間24日20時)キックオフ予定となっている。
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