アイスランドの試合巧者ぶりが目立った前半
ロシアワールドカップも大会9日目を迎えた。すでに決勝トーナメント進出を確定させたチームも出てきており、同時に敗退が決まったチームも現れている。
中でもグループDは波乱の展開となっている。首位通過が濃厚だったアルゼンチンが2試合を終え未勝利。1試合を残してはいるが、決勝トーナメント進出の可能性は極めて低くなっている。
そのアルゼンチンのスタートダッシュを阻止したのが、アイスランドである。歴史的なワールドカップ初出場を果たした同国は、11人全員が集中した守備をみせ、前回大会準優勝チームを相手に価値ある勝ち点1を奪い取った。その組織力はワールドカップ出場国の中でも5本の指に入るのではないかと思わされるほど、素晴らしいものだった。
そのアイスランドがグループリーグ突破をかけて挑む第2節。相手はアフリカ屈指の実力を誇るナイジェリアだ。
この試合、アイスランドは[4-4-2]のシステムでスタート。立ち上がりから2トップのアルフレッド・フィンボガソンとヨン・バーバソンにロングフィードを当て、こぼれ球を拾ってフィニッシュまで持ち込むという非常にシンプルなサッカーを展開した。これが、アルゼンチンから勝ち点1を奪ったアイスランドのスタイルである。
ナイジェリアはこのシンプルなサッカーに苦しめられる。自陣深い位置まで押し込まれ、幾度となくシュートを浴びた。ボールは保持できるものの、帰陣が速いアイスランドに対し持ち味であるスピードを生かすことができず、遅攻へと追いやられた。事実、前半終了時のボール支配率はナイジェリアの61%に対しアイスランドは39%。しかしシュート数は前者0本、後者は6本放つなど大きな差がついた。
45分間の出来だけを見れば、アイスランドの勝利は確実かにも思えた。