コロンビア戦は課題が出づらい特殊な試合
コロンビア戦では、サッカーはいろいろなことが起こるなというのを再認識させられました。開始3分のカルロス・サンチェスの退場で全てが変わりました。
もし11対11で試合が進んだら、日本もコロンビアもお互いにボールを持つ時間があり、より個人の推進力に長けるコロンビアにチャンスを作られる回数が多くなる展開を予想していました。しかし、相手が10人になったことで、状況は一変しました。
日本は、守備においてはパラグアイ戦での戦い方を踏襲していました。立ち上がりから4-4-2のブロックを作り、むやみにボールを奪いにいくのではなく、ミドルゾーンにうまく誘導しながらチャンスがあればボールを奪いにいく守り方です。
今大会ではほとんどの国が同じような守り方を実践していて、それが今のサッカーのトレンドの1つになっていると思います。守備にはいろいろな形がありますが、結局は4-4-2が最もバランスをとりやすいというのが、現時点での1つの結論なのかもしれません。
本来なら、コロンビアの方が「勝たなければいけない」というプレッシャーを抱えていたでしょう。しかし、退場者が出たことで、逆に日本にとって「勝たなければいけない」試合になりました。予想だにしない出来事でしたが、それによって失うものと得るもののに対する気持ちの置きどころがわかりづらくなってしまい、バランスを取りづらくなったのかもしれません。
相手が10人だったため、守備面で明確な課題が出づらい試合にもなりました。ワールドカップのレベルでどこまで戦えるか、というのは11対11の状況でないと分からなかった部分があります。
特に、サイドのマークの受け渡しやゴール前でのマークの仕方などは、相手が数的不利のために、ほとんど課題が浮き彫りになるシーンはなく、この後の戦いで真に問われるものになったと思います。
もし相手が11人のままでサイドのポジションチェンジなどをうまく使って崩して来た場合、しっかりと対応できるかは、11対11の状況で見てみなければわかりません。ゴール前のファルカオの動きに対する対応も同様です。特にサイド攻撃に特徴のあるポーランド相手には不安要素となる可能性もあります。