スペイン代表DFダニ・カルバハルはイランの守備的な姿勢を非難した【写真:Getty Images】
【イラン 0-1 スペイン ロシアワールドカップ・グループリーグB組第2節】
スペイン代表は現地時間20日、ロシアワールドカップのグループリーグ第2節でイラン代表に1-0の勝利を収めた。試合後の談話をスペイン紙『アス』などが伝えている。
すでに初戦でモロッコを下して勝ち点3を得ていたイランは、序盤から超守備的戦術でスペインに対抗した。54分に先制されるまでの大半の時間、守備時は「6バック」とも言える“ドン引き”でゴール前を固めたのである。
当然、この戦いに疑問を投げかける選手もいる。スペイン代表の右サイドバックとして先発出場したDFダニ・カルバハルは「あのような試合になることはわかっていたし、イランには明確なプランがあった」と述べた上で、カルロス・ケイロス監督が採用した守備的なアプローチに批判的な見方を示した。
「あのようなやり方で戦い、攻撃を寸断することはサッカーの一部ではある。だが、すべての時間を無駄にし、怪我で痛んでいるふりをするような試合だよ。僕はこれをサッカーだとは思わない。これはこのスポーツのスピリットとは違う」
ゴール前にフィールドプレーヤー全員が固まってスペインの攻撃を跳ね返し続け、時には痛んでピッチに倒れる選手もいた。カルバハルはこの姿勢が気に食わなかったようで「あいつらは理由もないのに繰り返し倒れた。痛くもないのに。ファウルを受けてもいないのに」と、度重なる“時間稼ぎ”を非難している。
それでも「大事なのは試合に勝ったことで、グループのトップにいる必要があるのは確かだ」と勝利そのものの成果はあった。グループBはポルトガルとスペインが勝ち点4、イランが勝ち点3と、最終戦を残して混戦模様になっている。
現地時間25日に行われるグループリーグ最終戦でポルトガルと対戦するイランは、確実に決勝トーナメント進出を決めるために勝利したいところ。スペイン戦ほどの守備的な戦いはもう見られないだろうが、今回はある意味でワールドカップを象徴する1試合が生まれたと言えそうだ。
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