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吉田麻也は日本の欠点を補う武器。世界基準の高さと強さ、決定力不足解消の切り札に【西部の目/ロシアW杯】

 日本代表にとって不可欠なCB、吉田麻也。プレミアリーグでも活躍する西野ジャパンの守備の重鎮には、攻撃面での貢献も期待される。ハイクロスが決定機になりにくい日本にあって、吉田の高さやパワーは大きな武器になる。彼を最前線に上げた時のプランを練っておきたいところだ。(文:西部謙司)

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

層の薄いポジション

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吉田麻也【写真:Getty Images】

 日本で最も層の薄いポジションがGKとCBである。体の大小があまり影響しないサッカーだが、GKとCBにはサイズが求められるからだ。世界的に日本人は平均身長が高いほうではないので、どうしても層は薄くなる。実際にはプロ野球には大きな選手もいるので、日本がヨーロッパや南米並にサッカーが主要スポーツになればまた事情は違うのかもしれないが。

 吉田麻也は身長189cm、体重85kg。世界的にも不足のない堂々たる体格、プレミアリーグのサウサンプトンではすでに6シーズンもプレーしている。ゴール前のバトルが激しいリーグでキャリアを積んでいるわけだ。

 ゴール前の空中戦では高さだけでなく幅や重さも必要だ。落下点で競り合うとき、高く跳ぶよりもポジションを確保するほうが重要だからだ。相手のほうが多少高くても、ヘディングできるポイントに入れさせなければ競り勝てる。相手をブロックする、場所を譲らないパワーと重さがけっこうモノを言う。その点で吉田は高さだけでなく重さやパワーもある。

 ボールコントロールも良く正確なフィードもできる。経験も冷静さもあり、世界トップクラスのリーグで通用する数少ない日本人CBといえる。

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