支配力のスペイン対速攻のポルトガル
ロシアワールドカップは、2日目にして白熱の展開が続いた。1試合目では、ウルグアイとエジプトが、2試合目ではイランとモロッコが強度の高い試合を繰り広げ、ウルグアイとイランがともに土壇場のゴールで決着をつけた。
そして、第1節最大の注目カードといえるポルトガル対スペインもまた、白熱の一戦となった。
スペインは、2008年のEUROを制したチームを皮切りに、バルセロナを基盤とした圧倒的な支配力で世界のサッカーファンを虜にした。対して、2016年のEUROを制したポルトガルは、“世界一のカウンターアタッカー”クリスティアーノ・ロナウドを中心に速攻を主体としたチーム。
この対照的なスタイルの2チームの激突となった試合は、互いにその力を見せつけた世界最高レベルの激戦となった。
下馬評ではスペインの有利とする声が多かった。ポルトガルはEUROを制したとはいえ、クリスティアーノ・ロナウドを除く選手の顔ぶれではスペインなど優勝候補筆頭とされるチームからは劣っているといえる。
しかし、スペインは2016年のEURO後がチーム指揮したロペテギ監督が今大会前日に解任されるという戦力ではない別の部分で大きな問題を抱えていた。それは、初戦を落としてそのままグループリーグで敗退という前回大会の不安を増大させる出来事だったに違いない。
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