背負って受ける能力、接近戦での技術
相手を背負ってパスを受ける。ターゲットプレー、ポストプレーと呼ばれるFW必須の技術だが、大迫勇也は図抜けてこれが上手い。
足腰が強そうでバランスが良く、細かいステップも踏める。何と言っても相手CBとのコンタクトプレーの技術、駆け引きが際立つ。ボールが到達する前に体を当てて空間を確保する、低く潜り込んでからカチ上げるようにブロックする、そうかと思えば相手のパワーに逆らわずに受け流しながらボールをコントロールする。接近戦でのテクニックが多彩だ。
かつてヴェルディ川崎(当時)や鹿島アントラーズで活躍したビスマルクも接近戦の名手だった。ビスマルクはMFなので、相手を背負うというより半身の攻防が多かったのだが、肘を張ってそこから中へ相手を入れない体勢を作ってボールを確保していた。
ある日、取材でビスマルクと1対1をやるはめになった。撮影用の1対1なので、そんなに激しくはやらないが、そのときにビスマルクの腕のバリアに硬軟あることに気づいた。防御の中へ強引に入って行こうとすると、スッと腕を“抜いて”しまうのだ。こちらは暖簾に腕押しとなってバランスを崩し、その間にビスマルクは間合いを取り直す。
大迫のターゲットプレーも硬軟を上手く使い分けていて、フィジカルコンタクトもパワーがすべてではないことがわかる。
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