サポーターズクラブ設立のきっかけ
今シーズンになって優勝争いの表舞台にようやく復活したリバプールFC。しかし2010年から2013年までのシーズンはプレミアリーグで6位~8位と好成績をおさめられず、ファンの高い期待に応えきれない状態が続いていた。
チャンピオンズリーグはおろか、ヨーロッパリーグ出場枠も逃した2013-14シーズンの開幕前には、欧州レベルでの大会出場を強く望んだエースFWのルイス・スアレスが、移籍の可能性を一時期ほのめかしていた。
しかしこうした昨シーズンまでのオンザピッチでの苦難をよそに、オフザピッチで好調をおさめてきた活動がある。リバプールFC公式サポーターズクラブ日本支部(LSCJ)による、サポーターズクラブ会員の大幅増員だ。
LSCJの設立は、熱心なある日本人サポーターからリバプールFCに向けられた、一通の手紙に端を発する。『ヒルズボロの悲劇』の調査報告書を受け、熱烈なサポーターの集う象徴的な場所だったアンフィールドKOPスタンドのテラス席が、1994年に安全性向上のために廃止されることとなった。
テラス席廃止前の最後となる試合をスタジアム観戦した平野圭子さんは、その時の感動をリバプールFC宛ての手紙にしたためた。しばらく日数を経た後、平野さんの自宅の郵便ポストに一通の手紙が届く。
送り主は、平野さんの溢れる想いを知る由となったリバプールFCの担当者。イングランドから思いがけず届いた返事に書かれていたのは、「日本に公式サポーターズクラブを作りませんか」という担当者からのメッセージだった。
この呼びかけを受けた平野さんは、リバプールFCサポーターズクラブ日本支部(以下LSCJ)の発足に向けて奔走する。リバプールFC側からの呼びかけがあったとはいえ、サポーターズクラブとして正式に公認されるためには、最少20名(現在は50名)の会員を集める必要があった。