ボール支配率ではサウジが圧倒も…
4年の歳月を経て、再びワールドカップが幕を開けた。
7万8011人の大観衆が詰めかけたルジニキ・スタジアムでの開幕戦、ピッチに立ったのは開催国ロシアと日本とともにアジア最終予選B組を勝ち抜いたサウジアラビアだった。
ロシアは、今大会の出場32ヶ国でFIFAランキングが最も低い70位で、サウジアラビアは2番目に低い67位となっている。ロシアは開催国のため予選を戦っていないことが響いているが、強豪国が揃う欧州ではやはり力の劣るチームである。
その両国の一戦は、ある意味では欧州とアジアの縮図ともいえる結果となった。
90分を通してボールを持っていたのはサウジアラビアだった。オプタによる試合後のスタッツを見ると、ボール支配率38.7%(ロシア):61.3%(サウジ)と大きな差が生まれ、ボールタッチ数は543回:754回、パス本数は343本:558本、パス成功率も73%:81%とサウジアラビアが上回っていた。
それでも、12分にCKの流れからガジンスキーが頭で先制点を挙げると、43分には“ガラスのエース”ジャゴエフの負傷によって投入されたチェリシェフが追加点。後半にはさらに3点を追加して5-0という圧倒的なスコアでロシアが試合を制した。
試合を見ていても、スタッツに現れている数字のようにサウジアラビアがボールを持っているという印象はなかった。むしろ、試合の立ち上がりから押し込んでいるのはロシアという印象が強く、終始ペースを握っていたのは開催国側だった。
なぜ、このような展開となったのか。それは、より詳細なスタッツを見ると明らかになった。