スイス戦で露呈した日本の完成度の低さ
ロシアワールドカップ初戦・コロンビア戦を約10日後に控え、6月2日からオーストリア・ゼーフェルトで直前合宿を行ってきた日本代表。
8日にスイス・ルガーノで挑むワールドカップ出場国・スイス代表とのテストマッチはまさに本番の前哨戦。土台となる4-2-3-1で戦う以上、無失点に近い結果を残し、守備のメドをつける必要があった。
その意識は序盤から色濃く出ていた。トップ下に入った本田圭佑が「はめれたパターンとはめれない場合のプレスの2つを確認したい」と話した通り、まずは積極的に前からプレスに行く形からトライした。最終ラインも高い位置を取り、日本の守備組織はコンパクトに保たれていた。
スイスの警戒ポイントである右MFシェルダン・シャキリ、左MFブレール・エンボロのところには最低2人がマークについて好き勝手やらせなかった。ボランチのグラにと・ジャカやヴァロン・ベーラミ、左サイドバックのリカルド・ロドリゲスらの巧みなサイドチェンジには手を焼いたが、決定的に崩されるシーンはなかった。
しかしながら、大迫勇也がファビアン・シェアに背後からチャージを受けて腰を強打し、武藤嘉紀と交代した直後の前半40分、そこまでうまく封じてきたはずのエンボロに酒井高徳があっさりとかわされ、カバーにいった吉田麻也がそれを倒してPK献上。前半終了間際に手痛い失点を喫してしまう。
この1点が重くのしかかった日本は後半に入ってからも攻めあぐねる。西野朗監督が乾貴士ら持てる駒を次々と投入しても攻めの推進力を出せない。逆にスイスは82分、日本のコーナーキックをクリアした後、一気にカウンターに持ち込み、最終的には途中出場のハリス・セフェロビッチが2点目を奪った。前がかりになった日本の攻撃陣と動きが重くなった守備陣がバラバラ感を露呈した結果の致命的な追加点だった。