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“ブッフォンの正統後継者”、シュチェスニー。日本に立ち塞がる世界指折りの守護神【W杯 日本を襲う猛獣たち】

間近に迫ったロシアワールドカップ。日本はグループHでコロンビア、セネガル、ポーランドの3か国と激突する。本大会へ向け改めて確認しておきたいのは対戦国の要注意人物たちだ。フットボールチャンネルでは日本と対戦する3か国の“猛獣”たちを紹介していきたい。今回はポーランド代表のGKヴォイチェフ・シュチェスニーを取り上げる。(取材・文:神尾光臣【イタリア】)

シリーズ:W杯 日本を襲う猛獣たち text by 神尾光臣 photo by Getty Images

アーセナルで評価下げるもイタリアで開花

ヴォイチェフ・シュチェスニー
ポーランド代表のヴォイチェフ・シュチェスニー【写真:Getty Images】

 2018年5月、ユベントスのジャンルイジ・ブッフォンが退団を表明した。そしてそのラストイヤーは見事、7連覇で終わることができた。

 もっともその最後の一年で公式出場は38試合、リーグ戦の出場は21試合に抑えられている。年齢が考慮されたことに加え、冬には筋肉系の故障で2ヶ月近く戦列を離れていたこともあったからだ。

 それでもユベントスが安定して戦えたのは、優秀な第2ゴールキーパーの存在があってのことである。それも、単なる控えGKではない。他のクラブであれば第1GKであってもおかしくない、国際経験豊かな名手だ。

 ヴォイチェフ・シュチェスニー 。アーセナルのアカデミーから第1GKへと登りつめたポーランド人GKだ。体格に恵まれた一方で、敏捷性も顕微。守備範囲が広く、際どいコースを突いたシュートも弾き出す。

 アーセナル時代には凡ミスを多かったが、彼は今別物の安定感を見せる。ローマで2年、そしてユベントスで1年。イタリアでGKとしての技術を向上させ、計算の立つ真の実力者となった。

 転機は2015年の夏にあった。才能はアルセーヌ・ベンゲル監督に早いうちから評価され、2010年からアーセナルの正GKを務めていたものの、2014/15シーズンはダビド・オスピナに定位置を奪われた。

 2015年1月、プレミアリーグ第20節サウザンプトン戦後、ドレッシングルームで喫煙をしてしたことが決定的にシュチェスニー自身の評価を下げたとされている。ただそういった素行やイメージの問題の他に、彼自身のパフォーマンスの低下も原因していた節がある。

 シュートストップそのものは非常に上手かった。反射や瞬時の姿勢制御などの運動調整力が高く、一度体の逆を突かれバランスを崩された状態からも、瞬時に手や足を伸ばしてボールへと伸ばす。

 ただ、プレーには穴も多かった。飛び出してボールを奪おうとすればよく失敗し、ボールを蹴れば味方ではなく敵のいる地域に蹴り込み、さらなるピンチを招くこともあった。

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