長友佑都【写真:Getty Images】
日本代表は28日、千葉県内で今月30日の国際親善試合・ガーナ戦に向けて練習を行った。長友佑都は、心身ともに良い状態であることをアピールし、ウイングバックにも手応えを感じているようだ。
西野朗監督はロシアワールドカップに向けて、今回の合宿で3バックに取り組んでいる。新しい挑戦となる選手も少なくないが、長友はインテル時代に3バックのウイングバックを務めた時期があり、不安は感じていない。
「コンディションはすごく良い状態にあります」と語る長友は、ウイングバックについて、「やることが相当ありすぎて、役割はかなり増える」と確信している。「守備の1対1に負けないことはもちろんですけど、攻撃もより前に行かなければいけない。あとはゲームをつくることもやっていかないといけない」とコメントした。
さらに長友は、「一番難しいのは、守備のスイッチを入れるところ」だと語る。「相手のサイドバックに僕が行くのか、それともシャドーが出るのか。僕が出たら3バックの1人は絶対にスライドしなければいけない。その連動性がすごく難しい部分で、細かいコミュニケーション、意思疎通ができないと正直本当に難しい役割」で、「ウイングバックの状態でチームの状況が決まるんじゃないかなというくらいに思っています」と話した。
長友はやりがいが「あります」と即答。「インテルでやったこともありますし、そのときはすごく良いシーズンを過ごせたというか、結果もある程度残せたし。個人的にはポジティブな過去がある」と自信を持っている。
理想はシャドーの選手を前に残したまま守ることだが、当然ウイングバックが下がって5バック気味になることも想定している。
長友は「このシステムの一番の強みって、僕自身は相手に来させて、相手に楔を入れさせて、そこで取ってショートカウンターだったり…」と分析。「ユベントスもそうですけど、がっちり引いてブロックを作って、そこから奪ったときに縦に速く、というか。そういう良い部分もあると感じる」と話した。
ワールドカップ直前の3バック挑戦だが、長友は「個人的にも監督交代は何度も経験してきました。良い状態でチームをつくっていても、ブラジル(ワールドカップ)のときみたいに結局結果が出なかったり、逆に南アフリカ(ワールドカップ)のときは悪い状態で入って…。ただ、1試合で状況が一変した。サッカーは本当に分からない」とコメント。「一番大事なのはチームが一つで、ポジティブな雰囲気、選手もスタッフも含めて、そういう空気が流れているのが一番大事な部分だと思います」と語った。
その雰囲気に不安はない。「ピッチ内だけじゃなく外でも常にフォーメーションのことは話せています。西野監督の戦術と考え方、プラス、中で戦っている選手たちが一つになって、良いコミュニケーションを取れている」と長友。「僕自身、そこまで不安というか、心配はないかなと。それがないというのは嘘になりますけど、ただ、すごく良い雰囲気と良い緊張感で。チーム状態がすごく良いので、楽しみではあります」と前向きに話した。
(取材:青木務、文・構成:編集部)
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