日本代表は27日、千葉県内で今月30日の国際親善試合・ガーナ戦に向けて練習を行った。
前日に続き戦術練習を行った西野ジャパン。この日はミドルゾーンでフィールドプレーヤーのみの10対10を2本、実施した。【3-4-2-1】と【4-4-2】の布陣を試している。
各グループのメンバー構成は図の通り。
1本目【3-4-2-1】
1本目【4-4-2】
2本目【3-4-2-1】
2本目【4-4-2】
「守備の部分では後ろに余りすぎないことが大事。とにかく後ろからしっかりとラインを上げて押し出して、前の選手たちをフォローしてあげることも大事だと思っている」
3バックの中央を務めた長谷部はこう話す。ミドルゾーンで戦術確認を行ったのも、最終ラインが引き過ぎないように意識させる狙いがあったのではないか。
どのシステムにも言えることだが、【3-4-2-1】も前線の選手がどのように守備を行うかが重要になる。この日のトレーニングを見ていると、1トップの選手は相手CBへ無闇にプレスをかけるのではなく、パスコースを限定する立ち位置を取ることを徹底していた。そしてシャドーの2人は中央を締めつつ、サイドに開いて対応する場面もあり、【5-4-1】でブロックを作る意図も感じさせた。
攻撃面ではビルドアップの際、ボランチが一人降りてこない。後ろの3枚で動かしつつ、縦パスのチャンスがあれば迷わず入れていく。逆に縦へボールをつけられずパスを躊躇っていると相手にはめ込まれそうになるシーンがあった。
存在感を示した一人が長友佑都。彼のいる左サイドはボールの回りがスムースで、長友がタイミングよくタッチライン際を駆け上がることでパスを引き出している。
「4バックに関してはみんなやり慣れている部分がある。とにかくまず、3バックにトライしてみようと。両方の形を持っているというのは自分たちの強みにもなると思うし、このトライはすごく面白い」
時間がない中で新たな戦い方に取り組むことにはリスクもあるが、長谷部が言うように西野ジャパンの武器になれば素晴らしいことだ。
手応えを得るには実戦で結果を出すのが近道。【3-4-2-1】をオプション以上のアイテムとするには、ガーナ戦で試すことが必須だろう。
(取材・文:青木務)
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