バイエルンとのゲームでみせた効率的な攻め
今季のチャンピオンズリーグ(CL)も残すところあと1試合となった。ウクライナ・キエフのオリンピスキ・スタジアムで行われるファイナルの舞台に挑むのは、レアル・マドリー(スペイン)とリバプール(イングランド)である。
前者は現在、CL2連覇中と欧州最高峰の舞台で圧倒的な強さを発揮している。今季も、パリ・サンジェルマン、ユベントス、バイエルン・ミュンヘンと各国リーグの王者を相手に持ち前の勝負強さを発揮して、決勝の舞台へたどり着いた。
レアルは世界最高ともいわれるカウンターを基本とし、いくつもの勝利を積み上げてきている。それは準決勝で対戦したバイエルンとのゲームでも遺憾なく発揮されていた。
準決勝1stレグではドイツ王者に長い時間ボールを支配された。バイエルンが60%の支配率を誇ったのに対し、レアルは40%に留まっている。そしてアウェイチームはかなり押し込まれ、計17本ものシュートを浴びせられた。一方のレアルはわずか7本しかシュートを放てなかったのである。
だが、より効率的にゴールへと迫り、少ないチャンスをものしたのは白い巨人の方だった。前半にヨシュア・キミッヒに先制ゴールを奪われ、勢いに乗っていたバイエルンに対してレアルは、前がかりになった相手の隙を狙うべく、カウンターのチャンスを何度も伺っていた。そのチャンスが巡ってきたのは57分である。
バイエルンがボールロストするとそれをルーカス・バスケスが奪い、マルコ・アセンシオと2人でショートカウンターを仕掛け、決勝点を挙げたのだ。DFラフィーニャの致命的なミスであったとはいえ、バスケスがセンターライン付近までプレッシャーをかけ、アセンシオも同ライン近くにポジションニングしていたという点を考えると、いかにレアルがカウンターの構えを徹底したいたのかがわかるだろう。