武藤嘉紀が日本代表合宿序盤からコンディションの良さをアピールしている【写真:Getty Images】
日本代表は22日、千葉県内で今月30日の国際親善試合・ガーナ戦に向けて練習を行った。
合宿2日目の練習で興味深かったのはピッチ外周でのインターバル走だった。
大まかに2つのグループに分かれて走っていたが、中でもコンディションの良さがうかがえたのはFW武藤嘉紀である。
グループ1:武藤嘉紀、原口元気、宇佐美貴史、岡崎慎司、大迫勇也、酒井高徳
グループ2:本田圭佑、香川真司、浅野拓磨、吉田麻也
この日の練習に参加した10人は、このような2つのグループに分けられた。これは初日の練習の中で行われた、一定の間隔でペースを上げながら短いランを繰り返すフィジカルテストの一環から導き出されたようだった。
テストの結果が芳しくない(フィジカルコンディションが悪い)選手が「グループ2」に、テストの結果が良好な(フィジカルコンディションが良い)選手は「グループ1」に振り分けられたと想定される。
メキシコリーグの閉幕が早く、すでに3週間近く実戦から遠ざかっているMF本田圭佑や、半年間トップチームでの出場機会がなかったFW浅野拓磨、負傷から約3ヶ月ぶりに復帰したばかりのMF香川真司らが「グループ2」となった。
一方、「グループ1」の中でも状態の良さが最も目立っていたのが武藤だった。1人だけインターバル走の序盤からスピードを他の選手よりも上げてグループを離れ、どんどんペースアップしていく。それに原口や宇佐美が続くようなペースで走った。
武藤はサーキットトレーニングや狭いスペースでの6対3、5対4といったボールを使ったメニューでも軽快な動きを見せてコンディションの良さを西野朗監督に猛アピール。前線でポジションを争うであろう本田や香川、浅野を尻目にワールドカップで戦力になれることを証明しようとしている。
西野監督は18日の日本代表メンバー発表会見で「6月19日(の初戦・コロンビア戦)で、ワールドカップの大舞台で最高のコンディションになるであろう選手たちを予測して、そういう選手たちを招集して、どういうチームができるのか、そういう想像力も働かせながら選手たちやチームを見ていかなければならない」と述べていた。
この発言に照らし合わせれば、武藤は西野監督がチームを構築していくうえで戦力として「予測」を立てやすい選手と言えそうだ。ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督からの評価はイマイチだったが、25歳の万能ストライカーが、今後のガーナ戦やワールドカップ本大会に向けて重要な存在になっていくかもしれない。
(取材・文:舩木渉)
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