久保裕也は30日のガーナ戦に向けた日本代表メンバーから漏れたが…【写真:Getty Images】
日本サッカー協会は18日、今月30日に行われるガーナ代表との国際親善試合に向けた日本代表メンバー27人を発表した。
公表されたリストの中に、ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督のもとで日本代表に主力に定着したFW久保裕也の名前がなかった。
西野朗監督は「基本的にはこの27人からという考えは持っています」と、ロシアワールドカップ本大会に出場する23人をガーナ戦に向けた招集メンバーから選ぶ意向を示したが、一方で久保に関しては「状況によっては追加招集も叶う」と説明し、滑り込みでの選出も示唆した。
というのも、久保は最長で今月27日まで所属クラブでの公式戦を戦わねばならない。今週末20日に、久保が所属するヘントはベルギー1部の優勝プレーオフで首位のクラブ・ブルージュと対戦することになっている。
ベルギー1部の優勝プレーオフはレギュラーシーズンの上位6クラブによって争われ、1位になればそのシーズンの優勝とチャンピオンズリーグ(CL)本戦グループステージ出場権が与えられる。2位のクラブはCL予選3回戦出場権を手にする。
また今季は現在2位のスタンダール・リエージュが国内カップ戦を制してヨーロッパリーグ(EL)本戦グループステージ出場権を獲得し、さらにリーグ優勝プレーオフ3位以内も確定しているため、4位クラブがEL予選3回戦出場権、5位クラブがEL予選出場権をかけた下位プレーオフ優勝クラブとの最終プレーオフに進む。
現在、1試合を残してクラブ・ブルージュの優勝が決まっている。スタンダール・リエージュとアンデルレヒトが2位の座を争い、久保が所属しているヘントは4位以下が確定。最終節の結果しだいで、その後の試合日程が変わってくる。
仮にヘントが20日の試合でクラブ・ブルージュに勝利すれば、4位でEL予選出場権を獲得してシーズン終了となる。しかし、ヘントがクラブ・ブルージュ引き分けるか敗れ、勝ち点差1で追っている5位のヘンクがCL出場権を狙う3位アンデルレヒトに勝利すれば、ヘントは5位に転落する。
するとヘントはEL予選出場権をかけた最終プレーオフを戦わねばならず、その試合は5月27日に組まれている。
久保がもし20日でシーズンを終えれば、ガーナ戦前に追加招集して状態を確かめることも可能だろう。だが、もし27日まで公式戦を戦わねばならないとなると、30日の親善試合のために一度帰国させることは、コンディションを考えると現実的ではない。
そのため最終プレーオフ出場となると、追加招集のタイミングはガーナ戦を終えた後のヨーロッパでの合宿からとなる。つまり今月31日に予定されているワールドカップに向けた最終メンバー発表の後ということになり、ほぼぶっつけ本番で本大会に臨まなければならない。
今季はレギュラーシーズンとプレーオフ合わせてリーグ戦で10ゴールを挙げ、日本代表でも継続的に出場機会を得ていた久保のワールドカップ出場は叶うのか。西野監督は「もちろん戦力として考えている」と明言したが、超過密スケジュールの中でギリギリの選択を迫られそうだ。
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