支配率43%も…多くの決定機を作り出したアトレティコ
世界最強の4-4-2。年々多様化するサッカーの世界において、最もオーソドックスと言われるシステムをアトレティコ・マドリーは極めている。フランスの古豪、マルセイユと争ったヨーロッパリーグの決勝でもその力はいかんなく発揮されていた。
GK:オブラク、DF:エルナンデス、ゴディン、ヒメネス、ヴルサリコ、MF:コケ、サウール、ガビ、コレア、FW:ジエゴ・コスタ、グリーズマン
この11人で組まれたフラットな4-4-2は見事なまでに統率され、3つのラインは乱れることなく連動する。この3ラインからなる守備網は、ちょっとやそっとのことでは崩れない。マルセイユら対戦相手にとっては、どれだけ攻撃を繰り出してもギャップが生まれないため、打つ手なしという感覚となるだろう。
実際にこの試合でも、ボール支配率はマルセイユ56.9%:アトレティコ43.1%、パス本数は同422本:324本、パス成功率は75%:65%、ドリブル突破数は17回:6回と多くの面でマルセイユが上回った。
しかし、よりゴールに近いデータを見てみると、決定的なパスの本数はマルセイユが6本:アトレティコが10本、枠内シュートの本数は同2本:4本とアトレティコが上回っている。
相手にボールを持たせた上でチャンスは作らせず、ボールを奪ったら速攻を仕掛けて相手ゴールを脅かす。バスケットボールにおいても、ボクシングなどの格闘技においても、カウンターは凄まじい威力を持っている。
21分にマルセイユのGKマンダンダからのパスを受けたMFザンボ・アンギッサがトラップミスを犯し、ガビからのアシストでグリーズマンが先制ゴールを決めたシーンで、この試合はアトレティコのものとなることは決まったのかもしれない。