グリーズマンはやはり核
ヨーロッパリーグ(EL)もついに残すところあと1試合になった。パルク・オリンピック・リヨン(フランス)で開催される決勝の舞台に残ったのは、マルセイユ(フランス)とアトレティコ・マドリー(スペイン)である。
両者が顔を合わせるのは実に10年ぶりのこと。通算対戦成績はアトレティコの2勝1分となっている。
チャンピオンズリーグ(CL)のグループステージで3位という結果に終わり、このELに回ってきたアトレティコだが、欧州主要大会で発揮する経験値と実力は今季も絶大だった。
ディエゴ・シメオネ監督率いる同チームは【4-4-2】のシステムを基本としている。ハイライン、ハイプレスを徹底し、超攻撃的サッカーを展開するアトレティコの【4-4-2】は「世界最強」と称されることもある。今季は補強禁止処分を受けるなど十分な戦力を確保することはできなかったが、それでもチームは構築する自分たちのスタイルを失うことなく、リーグ戦では2位(5月16日現在)、そしてELでは決勝戦進出を果たすなど申し分ない成績を残したのである。
チームとしてCL敗退、リーグ戦タイトルを逃したということはネガティブなことかもしれないが、補強禁止処分を受けながらもここまで戦うことができたのは見事である。その勢いはこのファイナルの舞台でも存分に発揮することだろう。
注目はやはりアントワーヌ・グリーズマンだろうか。シメオネ監督の下、守備にも尽力し、味方を生かしてチャンスを演出することもできれば自ら点を取ることも可能なフランス代表アタッカーはチームの“核”だ。味方をも裏切る多彩なアイデア、高い決定力は誰もが認めるところ。
決して強固ではないマルセイユの守備を破壊するにもグリーズマンの力は何としても発揮させたい。中盤のガビ、コケらゲームメイクできる選手の役割も、非常に重要になってきそうだ。