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蘇る不死鳥、ラダメル・ファルカオ。4年前の悔しさをバネに最後の大舞台へ【W杯 日本を襲う猛獣たち】

1か月後に迫ったロシアワールドカップ。日本はグループHでコロンビア、セネガル、ポーランドの3か国と激突する。本大会へ向け改めて確認しておきたいのは対戦国の要注意人物達だ。フットボールチャンネルでは日本と対戦する3か国の“猛獣”たちを紹介していきたい。今回はコロンビア代表のラダメル・ファルカオを取り上げる。(文:小川由紀子【フランス】)

シリーズ:W杯 日本を襲う猛獣たち text by 小川由紀子 photo by Getty Images

別人となって帰ってきたファルカオ

ラダメル・ファルカオ
コロンビア代表のラダメル・ファルカオ【写真:Getty Images】

 今季も全コンペティション合わせて24点と、ラダメル・ファルカオは昨年に続き20点越えを達成した。今や完全にモナコの顔。その彼のモナコでの挑戦は、『プレミアリーグ前』と『プレミアリーグ後』の2期に分かれる。

 ファルカオは、経営にロシアの実業家が参画し、カタール国のバックアップで銀河系集団となったパリSGに追いつけ追い越せとばかりに行った大補強の目玉としてハメス・ロドリゲスらとともに13-14シーズン、モナコにやってきた。

 ところが、ファイナンシャルフェアプレー(FFP)問題の解消など金銭問題も絡み、わずか1年でイングランドに移籍。

 しかしながらマンチェスター・ユナテッドにレンタル移籍した14-15シーズン、そしてそこからまたレンタルされたチェルシーでの15-16シーズンともに好調だったとは言いがたく、とりわけ2年目は大腿部の怪我で長期欠場し、計363分しかピッチに立っていない。

 そして16-17シーズン、ファルカオはモナコに、「別人」のような姿で帰ってきた。

 トレードマークだった長髪をバッサリ切り落とし、サイドをスッキリと刈り上げたまったく新しいヘアスタイル。そんな見た目も別人のようだったが、それよりも変わっていたのは中身だった。

 練習中の様子からは喜びが溢れ出し、試合でボールを追う姿は、まさに水を得た魚。
 
「試合に出ていないと、どうしても気分もふさぎがちになる。とにかく試合に出続けてリズムを取り戻すことに、僕は飢えていた」モナコに復帰して間もない頃の気持ちを、ファルカオはそう表していた。

 出戻った彼に対し、フランスメディアは最初は懐疑的だった。

 マンチェスター・ユナイテッドでは6ゴール、翌シーズンのチェルシーではわずか1点しか決めていない彼のストライカーとしての嗅覚はもう鈍っているのではないかと。

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