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長友佑都 7年前

長友がトルコで高く評価される理由。強敵を沈黙させた2試合と情熱のサポーターの支え

今季途中、長友佑都はインテルからガラタサライへ期限付き移籍した。イタリアからトルコに活躍の場を移し、地元メディアやサポーターから高い評価を受けているが、その理由をイタリア在住記者がトルコへ渡り追った。(取材・文:神尾光臣【トルコ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images,Mitsuomi Kamio

全てのレストランが赤と黄色で埋め尽くされる

ガラタサライサポーター
試合前には必ずネビザデ通りに集まりチャントを大合唱するガラタサライサポーター【写真:神尾光臣】

 長友佑都が所属するトルコ・シュペルリガのガラタサライは、実はイスタンブールにある教育機関をそのルーツとしている。市内中心部のベイヨール地区にあるガラタサライ高校というのがそれで、設立は1481年と非常に由緒あるものだ。

 サッカーチームのほか、バスケットボールやバレーボールのチームも抱えた総合スポーツクラブであるガラタサライ・スポル・クルビュは、1905年にガラタサライ高校の生徒たちが中心となって発足したものだという。

 そしてこの界隈は、当然サポーターにとって『聖地』となっている。クラブのオフィシャルショップはこの付近の大通りにあるし、何より試合の前後でサポーターが決起集会を行う場所があるのだ。

 ガラタサライの今季ホーム最終戦となった5月12日のイェニ・マラティヤスポル戦の5時間ほど前。この付近を散策していると、まるでスタジアムのようなチャントが聞こえた。その方向に足を運ぶと、細い路地いっぱいにガラタサライサポーターが集結し、発煙筒を焚いて歌っていた。界隈はオープンテラスの店が20軒ほど連なるレストラン街だったが、その全ての席が赤と黄色のユニフォームで埋め尽くされていた。

「試合の前後には必ずここ、ネビザデ通りに集まるんだ」とファンは言う。クラブ設立時の学生たちの習慣にちなみ、ネビザデ通りで気持ちを盛り上げてスタジアムに向かうのが毎週の日常。彼らが作った「ネビザデの夜」というチャントは、欧州のサッカーファンの間で知る人ぞ知る名曲だ。

 迫力に圧倒され、写真などを撮っていると「ナガトモ!」と呼ばれる。人懐っこいトルコ人のこと、まあ一緒に座れとなる。会話はお互いカタコトの英語、するとコアな連中が「彼はベリーグッドだ」と熱烈に言ってくるのだ。長友がインテルからガラタサライにやってきて3ヶ月半、彼がピッチで見せたものはファンに好意的に評価されたということは、少なくとも言える。

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