決勝に一歩及ばず。ミスが響いて…
1stレグで決したかと思われた勝負が、またも大接戦に。ローマは2日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグで、リバプールのオウンゴール絡みとはいえ4点を奪った。
ただそれだけに、悔いも残る結果となった。「PKに値するファウルが2つ見逃された。来季にはVAR(ビデオ判定)が必要だ」とローマのモンチSD(スポーツディレクター)は語ったが、審判のジャッジはともかく悔恨なのは試合内容も然り。前半に喫したつまらないミスによる失点が響いての敗退となったからだ。
バルセロナ相手に見せた力を再び発揮した一方で、経験不足も再び露呈した。「選手たちが若く、私もCL初挑戦。自分の采配も含め、我われはミスを通して学ぶ立場にある」とエウセビオ・ディ・フランチェスコ監督は語ったが、準決勝敗退はその言葉通りのものになってしまった。
ローマのパフォーマンスは、3ゴールを奪った後半はもとより序盤も良好だった。2-5という高すぎる授業料を1stレグで払った分、彼らはきっちりと修正を図ってきていた。
システムを3バックから本来の4-3-3に戻し、モハメド・サラーに対してがら空きになっていた左サイドにきちんとフタをする。しかしそんな数字並べよりも肝心なことは、選手たちが思考とメンタルを切り替えてピッチに入っていたことだ。
左右ともにウイングとサイドバックの2人を使ってリバプールの布陣を拡げる。中盤で相手が強烈なプレスを掛けてきても、怖気づくことなく少ないタッチでパスを交換。そして1対1の勝負でDFを剥がせると思った場面では、積極的に抜きにかかる。
ゲーゲンプレスに面食らった1stレグとは打って変わって、実に勇敢なアプローチができていた。特に故障で欠場したケビン・ストロートマンの代役として出場したロレンツォ・ペッレグリーニと、左ウイングで先発出場したステファン・エル・シャーラウィは、それぞれ正確なパスや果敢な突破でチャンスを演出していた。