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日本代表 7年前

ハリルは選手を守った、田嶋会長は選手を生贄にした。記者会見で見えた両者の決定的なプロ意識の差

ハリルホジッチ氏が記者会見をした。ほとんどが不可解な解任への反論だったが、そこで見えたものがある。それは日本サッカー協会の田嶋幸三会長とハリルホジッチ氏のプロ意識の違いだ。 (取材・文:植田路生)

text by 植田路生 photo by Getty Images

選手との関係。ハリル「問題ない」。田嶋会長は…

ヴァイッド・ハリルホジッチ
日本代表前監督のヴァイッド・ハリルホジッチ氏【写真:Getty Images】

 時折聞こえた「レレレ…」はいつもどおりだった。これは日本語で言えば「えーと、えーと」というニュアンスなのだという。とにかく自分の主張は延々と話し、記者からの質問にも微妙に噛み合わないのも変わらず。ヴァイッド・ハリルホジッチは、最後までハリル流を貫いた。

 4月27日、都内で記者会見に応じたハリルホジッチ前日本代表監督。9日に解任が発表され、それへの反論という形だが、これをもって日本代表に関するハリルホジッチ氏の公式な記者会見は最後だろう。

 解任した日本サッカー協会(JFA)とハリルホジッチ氏の見解は180度異なるものだった。特に解任の大きな要因となった「選手との信頼関係、コミュニケーションの問題」については、両者のプロ意識の違いが如実にあらわれていた。

 ハリルホジッチ氏は「3年前から誰とも問題はなく、特に選手との問題はありません」と語るなど、選手と監督の間に問題がないことを強調した。15人の選手からメッセージをもらったことを明かすなど、選手から支持されていたと感じさせるようなことも語った。

 一方、JFAの田嶋幸三会長はどうだったのか。解任発表の記者会見ならびにその後のメディアで語った内容は非常にぼんやりとしていたが、「選手との信頼関係が薄らいだ」ことは何度も繰り返し主張した。

 人間関係は心象的な問題で、どちらが正しいのか判断するのは難しい。人の感じ方はそれぞれだからだ。それが解任理由になっていることは理解に苦しむが、同時に問われるべきはその白黒つけにくい問題について「どちらが正しい姿勢だったか」である。結論から言えば田嶋会長の打った手は最悪だ。

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