ウィンガーとして起用される香川とマタ
「トップ下の選手を左サイドで起用するのは難しい話である」
こう述べるのはチェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督だ。彼はスペイン代表MFファン・マタをマンチェスター・ユナイテッドへ放出する際、「彼はサイドのポジションに不慣れだ。主力として起用されないことは彼にとって初めての事だったかもしれない。私は彼の好まないポジションで起用した」と語っていた。
マタを巡る起用法の問題はユナイテッドに移籍した今も継続中だ。彼はオランダ代表FWロビン・ファンペルシーとイングランド代表FWウェイン・ルーニーが2トップに固定される中、左右のウィンガーとして起用され、本来の実力を十分に発揮できずにいる。
移籍直後にデビューしたカーディフ戦では本来のポジション、ファン・ペルシーの後ろで活躍したが、その後3試合はサイドでプレーし、チームも未勝利と再び迷走している。
このマタの状況は、日本代表MF香川真司と酷似する。香川は今季、主にトップ下ではなく、左サイドで起用され続け、輝けずに出場機会を失った。さらに香川は1月下旬、マタの加入により押し出される形で起用されない控え選手へと格下げされた。
監督よりもメディアやファンの方が、香川やマタが最も活躍できるポジションを容易に指摘できるが、モイーズ監督はそれでもトップ下の選手をサイドで起用することに固執し続けている。
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