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日本代表 7年前

【岩政大樹×ウクライナ戦】なぜ日本は守備に隙が生まれるのか? 頑固なハリルは諸刃の剣に

日本代表は27日、ウクライナ代表と対戦し1-2で敗れた。この試合ではどんな成果や課題が見つかったのか。2010年の南アフリカワールドカップの日本代表メンバーに選ばれ、現在東京ユナイテッドFCで選手兼コーチとして活躍する元日本代表DF岩政大樹に、現役ディフェンダー目線で話を伺った。(分析:岩政大樹、構成:編集部)

シリーズ:岩政大樹×〇〇 text by 編集部 photo by Getty Images, Kenzaburo Matsuoka

工夫が見られた本田の守備。だがチーム全体に共有なく…

岩政大樹
岩政大樹がウクライナ戦における日本代表の守備を分析【写真:松岡健三郎】

 今回のウクライナ戦では、これまでの試合と何か違いが見えるか、(ヴァイッド・)ハリルホジッチ監督が就任してからやってきている守備の戦術に何か変化があるかに注目していました。結果的に監督からの指示はそれほど変わっていないように見えました。つまり、ハリルホジッチ監督のやり方はある程度もう固まっているということでしょう。ただ、その中で特に2列目の柴崎(岳)選手、原口(元気)選手、本田(圭佑)選手は自分なりに頭を使って工夫しながら守備をしている印象がありました。

 マリ戦の立ち上がりで久保(裕也)選手や宇佐美(貴史)選手がそうだったように、本田選手はサイドの自分のマークだけでなく、センターバックにプレッシャーをかける動きを序盤から何度も見せていました。相手の2人センターバックを1トップが見ているので、プレスがハマった状態を作るのであれば誰かがマークをズラさなければいけません。

 そこで相手のセンターバックにプレッシャーをかけるのは柴崎選手か本田選手ということになります。ただ、前者の場合は中盤の3人が相手の中盤をマンマーク気味に見ているため、1人がズレると新たに後ろが数的不利になってしまいます。

 よって本田選手がセンターバックにプレッシャーをかけることでサイドラインを使って他の選手のポジションもズラしていくやり方が有効だと思いました。サイドがどんどんズレていけば、基本的にセンターバックがサイドにスライドするだけなので、そんなに傷口が大きくならないですし、タッチラインを利用して相手を挟み込むことができます。本田選手はそのことを意識してプレーしているようでした。

 ただ、ウクライナ戦ではここまでに説明した動きがチームとしての約束事ではなかったようです。両サイドバックがマークを捨てて前に出てくることがありませんでした。もちろん自分の前に相手のサイドハーフがいるということもありますが、チームとしては、あくまで1人ひとりが目の前の相手について、センターバック1人が必ず余っている状態を維持しようとしていました。

 守備においては1人ひとりがデュエルでやられないことが基準になっていて、チーム全体でボールを囲い込むやり方で守備を作っているわけではありません。そうなるとどうしても相手がボールを動かしながらどんどんポジションを変えてくると、対応が難しくなってしまいます。

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