FC東京のMF久保建英【写真:Getty Images】
FC東京は7日、YBCルヴァンカップのグループリーグ第1節で横浜F・マリノスと対戦し0-1で敗れた。
この試合では、FC東京に所属する16歳のMF久保建英がJ1の公式戦で初の先発出場を飾った。チームは敗れたものの、随所に持ち味を発揮してチャンスを演出するなど、豊かな才能の片鱗を7170人の観客の前で披露した。
FC東京の長谷川健太監督は、試合後の記者会見で久保のパフォーマンスについて「非常にタフにやっていた。最後は疲れていたが、チームの勝利のために戦う姿勢を見せてくれたんじゃないかと思う。今日の建英は非常に素晴らしかった」と高く評価していた。
しかし、久保本人は「課題は自分のプレーが勝利に直結していないところだと思う」と、自身の出来に満足していなかった。初めてのトップチームでの先発フル出場は、勝利を逃したこともあり不完全燃焼に終わった。
トップ下で先発した久保は、U-23チームで参戦しているJ3とは違い、より強度の高いJ1の公式戦での90分間でしっかりと課題を見つけていた。「1、2回、ドリブルの時にちょんと足を出されてボールの角度を変えられたりして、結果的に相手ボールになることがあった。そこは集中して油断せずにやれたらいいなと思う」と、一瞬の気の緩みも許されない厳しさを感じた様子。
さらに「疲れた時に1回ちょっと変なパスを出してしまったので、パスの精度は疲れていても落としたくない」とも語る。トップレベルで90分間パフォーマンスを落とすことなく戦えるフィジカル面のタフさを、次に克服すべき課題と捉えているのかもしれない。
「途中出場だとしても先発出場だとしても、チーム一丸となって勝利を狙っていけるように。今日の試合は本当に悔しいんですけど、次の試合に切り替えて、勝てるように頑張ります。少しでもチームの勝利に貢献できるようなプレーヤーになりたいと思います」
まだ周囲との呼吸が合わず、狙ったタイミングでパスが回ってこないことや、ボールに触れない時間が続くこともある。それでも久保は食らいつき、チームの勝利につながるプレーを見せようと奮闘していた。
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