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ヴェンゲル政権の終焉近づく。もはや時代遅れの名伯楽、誰もが望む最高の引き際とは

アーセン・ヴェンゲル監督はもはや限界か。そんな議論が巻き起こって久しいが、最近はより活発になっている。公式戦4連敗を喫し、来季のチャンピオンズリーグ出場権を獲得も絶望的な状況。22年間続いたフランス人指揮官による長期政権は、時代に取り残されたまま終わりを迎えるのか。そして、ヴェンゲル監督にとって最高の引き際とはいかなるものなのだろうか。(取材・文:松澤浩三【イングランド】)

text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo by Getty Images

公式戦4連敗。クラブOBも悲嘆に暮れ…

ヴェンゲル
アーセン・ヴェンゲル監督の長期政権は今季限りか。公式戦4連敗を喫しチーム状態はどん底【写真:Getty Images】

 終焉が近づいている。それ以外の結末はあり得ないし、残念ながらあってはいけない。アーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督の去就を考えると、そう思わずにはいられなくなってしまう。

 3月4日のブライトン戦。私用で試合観戦はできなかったが、速報を見て小さな衝撃を受けた。2-1でブライトンの勝利。「やっぱりか」と「マジか」。2つの感想が同時に頭を交錯し、なんとも言えない気持ちだった。

 アーセナルは直近の公式戦で4連敗中。そのうち2試合(先月26日のリーグカップ決勝と今月1日のリーグ戦)は、異次元の強さを誇るマンチェスター・シティが相手だったとはいえ、そのどちらでも気概のない戦いぶりを見せていた。さらに遡った1月には、ボーンマスとスウォンジーという格下2チームにも敗戦している“実績”があった。それだけに、ブライトンとの対戦でも負ける可能性があることは理解していた。

 それでも、だ。まさか本当にそうなるとは考えてはいなかった。ヴェンゲル政権下の過去21年間で1シーズン中にリーグ戦10敗以上を喫したのは、2005/06シーズンと2011/12シーズンの2度のみ、公式戦4連敗はただ一度だけしか経験していない。 

 リーグカップ決勝戦後にクラブOBのマーティン・キーオンが「最終的にカップ戦で優勝して自分を救うのが『伝統』になっていた」と話したとおり、ギリギリのところを首の皮一枚でしのいで、シーズン終盤に連勝。批判されながらもどうにかシーズンを終えて「来季こそは違うのではないか?」とガナーズファンににわかに期待を持たせるのが、過去数シーズンのヴェンゲルだった。

 しかし今回は明らかに様子が違う。ブライトン戦後、『スカイ・スポーツ』のハイライト番組に登場したティエリ・アンリは、司会者にこう聞かれた。

「さすがにこの負けには驚いたのではないか?」

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