公式戦4連敗。クラブOBも悲嘆に暮れ…
終焉が近づいている。それ以外の結末はあり得ないし、残念ながらあってはいけない。アーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督の去就を考えると、そう思わずにはいられなくなってしまう。
3月4日のブライトン戦。私用で試合観戦はできなかったが、速報を見て小さな衝撃を受けた。2-1でブライトンの勝利。「やっぱりか」と「マジか」。2つの感想が同時に頭を交錯し、なんとも言えない気持ちだった。
アーセナルは直近の公式戦で4連敗中。そのうち2試合(先月26日のリーグカップ決勝と今月1日のリーグ戦)は、異次元の強さを誇るマンチェスター・シティが相手だったとはいえ、そのどちらでも気概のない戦いぶりを見せていた。さらに遡った1月には、ボーンマスとスウォンジーという格下2チームにも敗戦している“実績”があった。それだけに、ブライトンとの対戦でも負ける可能性があることは理解していた。
それでも、だ。まさか本当にそうなるとは考えてはいなかった。ヴェンゲル政権下の過去21年間で1シーズン中にリーグ戦10敗以上を喫したのは、2005/06シーズンと2011/12シーズンの2度のみ、公式戦4連敗はただ一度だけしか経験していない。
リーグカップ決勝戦後にクラブOBのマーティン・キーオンが「最終的にカップ戦で優勝して自分を救うのが『伝統』になっていた」と話したとおり、ギリギリのところを首の皮一枚でしのいで、シーズン終盤に連勝。批判されながらもどうにかシーズンを終えて「来季こそは違うのではないか?」とガナーズファンににわかに期待を持たせるのが、過去数シーズンのヴェンゲルだった。
しかし今回は明らかに様子が違う。ブライトン戦後、『スカイ・スポーツ』のハイライト番組に登場したティエリ・アンリは、司会者にこう聞かれた。
「さすがにこの負けには驚いたのではないか?」