Jリーグで驚きの人事。1年以上空席だったポストに収まったのは…
予定されていた17時半から10分ほど遅れて始まった、Jリーグの村井満チェアマンによる27日の月例理事会後の定例記者会見。東京都・文京区のJFAハウス内に集まったメディアに同時進行で配布された、報道資料の3ページ目に仰天ものの人事が記されていた。
終わったばかりの理事会で内定が承認された、2018年度のJリーグ理事・監事および特任理事の顔ぶれ。リストの中でも「新任および役職変更」の一番上に、意外な名前があったからだ。
<専務理事 木村正明(きむら・まさあき) 株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブ 代表取締役>
現在はアルビレックス新潟の代表取締役社長を務める中野幸夫氏(62)が退任した2016年末から空席となっていた機構内のナンバー3にあたるポジションで、実務面における最高責任者となる専務理事へ、Jクラブの代表取締役が転身する人事が内定した。
ただ、専務理事職は常勤となり、クラブの代表取締役と兼任することはできない。ほぼ時を同じくして、ファジアーノ岡山スポーツクラブも公式ホームページ上で3月27日付けの役員人事を発表。2006年から代表取締役を務めてきた木村氏が、前日の同26日に退任することがファンやサポーターに報告された。
今後は3月27日に行われるJリーグ社員総会および臨時理事会を経て、この日に内定した人事案が正式決定する。木村氏はファジアーノの筆頭株主でもあるため、近いうちに株式譲渡に関する承認申請が理事会に諮られる。
いわばヘッドハンティングと言っていい木村氏のJリーグ専務理事就任は、村井チェアマンの強い希望に導かれて実現した。先月30日にチェアマンとしての続投が決まり、3期目へ向けた執行部のメンバーの人選に着手したなかで、真っ先に木村氏へ連絡を入れた。2月に入ってからのことだった。
「ぜひとも彼に来てほしいという思いがあったので、私が『お願いします』と言ったら、最初は『エッ』とかなり驚かれたような感じでした。それでも、すぐに『少し時間をください。明日のお昼まで』と言ったんですね。普通ならば1、2週間後とするところを、集中的に考えてくれました。
ただ、どうしても丁寧に対応しなければいけない顧客がいる、ということで数日間動かれていましたが、私自身も木村さんが首を縦に振るまでは動かない、というほどの強い気持ちでしたので。そこを感じていただき、想像するに非常に早い意思決定をしていただいたと感謝しています」